箱の中(普通日記)
私の居場所は今この場所ではなく、頭の中にある。
アルバムの1ページ目中央に1枚貼られた写真に写るのは、私ではなく、私が入っているだろう保育器だ。このような構成で第一子のアルバムを作る両親のセンスはなかなかのものだと思う。次のページからはごく普通に赤ん坊の自分や、七五三の着物を着て千歳飴の袋を下げている私がいる。
それから10年20年、と時は流れ、私は成人した。私は側からみればごく普通に育ち大人になった一般的な人間だろうし、実際俯瞰してもおそらくそんなものだろうと思う。
保育器