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物乞いに金をあげるべきか?

世界を旅していると、ほとんどの国で物乞いを見る。
中南米も然り。人通りが多いところ、国道、空港周辺などはどこに行っても物乞いがいる。
バスの中に入って、切断した腕を見せつけながら、一人一人に金を求める人もいる。

物乞いに金を絶対やらない

欧米人や日本人の中には、こうした物乞いには絶対お金をやらないという人も多い。
その理由としては、まず「ビジネス乞食」、「職業物乞い」が多いからだ。

実際、ボクもビジネス乞食をたくさん見ている。
世界遺産の観光都市の路上に座り、観光客から金をもらっている40代くらいの女性。
物乞いタイムが終わると、おもむろに立ち上がりスタバに入ってトッピングありで注文する。
そして、戸建ての立派な家に帰っていく。

某国首都の空港近くの国道で物乞いをしている30代の男性と話したことがある。
「雨の日も路上に出て、大変だな。」
すると、彼は、
「いやいや、雨の日は、みんなかわいそうと思って、たくさん金くれるから稼ぎ時なのさ。」
と、ニヤっと笑って教えてくれた。

また、物乞いに金をあげると、酒やドラッグを買うだけになってしまうので金をやらないという人もいる。
その通りで、ホームレスになる人にはそれなりの理由があり、アル中という人もかなり多いのだ。

そして、金をあげると危ないと言う人もいる。
金をあげようと財布を出した瞬間、財布ごと奪われてしまうリスクがあるからだ。
どんな状況でも、人前で財布を出すのは危険である。

物乞いに金をやることの意味

すべての物乞いがビジネス乞食というわけでもない。
中には、本当に恵まれない状況にいるケースもあるのだ。
たとえば、中南米では障害者がまともな職に就くのはかなり厳しいのが現実だ。
物乞いをするしか手段がないという人がいる、これも確かなことである。

ボクらは貧困層への自立支援の活動もしている。
職を紹介したり、なにかのスキルを身に着けて仕事ができるように助けるのだ。
しかし、中には障害を持っているなどで、どうしても仕事にありつけず物乞いを続ける人もいる。
そんな人には、せめて何かしよう、とアドバイスする。

たとえば、ガムや花を路上で売る、街角でハーモニカ吹くといった感じだ。
同じ路上で金をもらうにしても、なにか「労働」をしてほしいのだ。
そうすれば、働くことで金をもらえるという充実感を多少なりとももらえる。
そして、自尊心を持ってもらえるのだ。

物乞いに会ったら

ボク個人としては、「ビジネス乞食」には金をやる必要はないと思っている。
しかし、何か「労働」をして、路上で金をもらおうと思っている人にはあげてもいいのではないか、と思う。
本当に恵まれない人、でもできることをやって金を稼ごうとする人は、少しでも助けてあげたい。

もし、外国に行ってホームレス、物乞いに会ったら、こんなことを頭の片隅から引っ張り出して思い出していただけるとうれしい。

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