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外国から見た日本の治安-その3 夜の危険度は街灯で見分けろ

中南米のように治安の悪い国では、自分を守るために絶対守らなくてはいけない”掟”がある。
いろいろあるが、より強い”掟”が「夜は出歩くな」である。
この感覚が染みついている状態で、日本にたまに帰ってくると、「日本ではいいけど、外国では絶対しないでください・・・」と思う光景をよく見る。

夜は気を付けようよ

日本に一時帰国すると、友だちの家にしばらく滞在することが多い。
その家の窓から外の通りを眺めていると、夜の道をコツコツとヒールの音を立てて歩いている女性の姿をよく見る。

「お仕事お疲れ様です。」という思いと同時に、
「『夜の恐ろしさ』、日本にはないのか・・・」とつい考えてしまう。

よく海外旅行の注意点に、「治安の悪いエリアでは夜、1人で歩かないように。」とあるが、それで済むなら、そこはそれほど治安が悪いわけではないよ、と思う。
ホントに治安が悪いところは、1人どころか3、4人で固まって歩いていても強盗にやられる。
歩きでなくても、自動車に乗ってても夜は怖い。

たとえば、中南米某国の首都は魔界都市と化しつつある。
そんな都市では、夜、道路を走っていて信号が赤になっても、誰も停まらない。
停まったら、どこからともなく男たちが闇の中から浮かび上がって、運転席に銃を突き付けてくるからだ。
もしくは、2人乗りのバイクがブゥーンと来て、やはり銃を突き付ける。

夜、街で気を付けるべきこと

そんな国で、夜、街に出ないといけない場合、身を守るいくつかのポイントがある。
・当然だが、1人、特に女性は1人で出ない。
・走りやすい靴と服で外出する。
・緊急時でも絶対に誰かを呼び、付き添ってもらう。
・それか、タクシーをドアtoドアしてもらう。
・タラタラ歩かず、可能な限り速足で移動。
・徒歩でも車でも、常に後ろを確認しつけられていないかチェック
・つけられていると思ったら逃げる
・ちょっと違和感を覚えたらスマホを出して、警察に電話しているフリをする。

一番のリスクは駐車場

そして、夜、自動車を運転する時である。
歩きも怖いが車も怖いのである。

移動は、遠回りになるとしても往来が多いところを選ぶ。
周りに車がいなくなったなと思ったら、可能な限りのスピードを出して、その状況から脱出する。

そして、ドライバーにとって一番怖いのが、駐車場なのだ。
用を済ませ車に乗るために駐車場に来たら、後ろから誰かにつけられて、ドアを開けた瞬間に背中に銃の硬さを感じる、なんてことはよくある。
最近は、手の込んだ強盗もいる。
あらかじめ狙った車のフロントタイヤの上に、ペットボトルを挟んでおく。
運転手がエンジンを付け、発進しようとすると異音と小さな衝撃を感じる。
「なんだ?」と思って出てきたところに、強盗さんが登場。
もうエンジンも付いてるし、すぐに現場から逃げられて好都合なやり方らしい。

いずれにしても、そのまま車を持っていかれ、自分一人残されるパターンである。
逆もしかり。
無事帰ってきたと、駐車場に車を停めたら、車かバイクが目の前に停まり、片手に銃を持つ男が見えるというわけだ。

なので、車を出すため駐車場に行く時には、後ろに誰か付いてこないか見ながら入るようにする。
車を停める時も、後ろから車やバイクが尾行していないかミラーで確認する。
もし、後ろから誰か来ているようなら、自分の車や駐車スペースには行かず、通り過ぎて様子を見るべきだ。

街が危ないかは街灯の色を見ろ

地元に住んでいれば、どこが治安が悪いかは雰囲気でも口コミでもすぐに分かる。
しかし、来たばかりの時や旅行だとよく分からないものだ。

少なくても中南米では、街灯の色で夜の治安が悪いかを判別できることがある。
オレンジの街灯ばかりの街は、夜は危険であることが多い。
というのも、「オレンジの光は波長が長いので遠くまで届くからだ。」と、警察付きの都市計画担当者が教えてくれた。
メイン道路からちょっと入った路地でも、オレンジ色の街灯だと多少は光が届く。

イメージとしては、白色の照明の方が明るくて良さげだ。
確かに、照らされている真下は明るいのだが、影がくっきり出てしまうので建物の陰に男が忍んでいても分かりづらい。
そして、街灯から離れると一気に暗くなる。

あまりこういう事情を知らない日本人の観光客がいらっしゃると、
「オレンジの街灯、おしゃれ!」と言ってくださる。
観光都市などは、その感想でよろしいかと思う。
しかし、普通の住宅地にオレンジの街灯は、良くないサインなのである。
できるだけ早く、そこから抜け出よう。
ちなみに、中米の首都の多くは、飛行機から見るとほとんどがオレンジ色の夜景である。
確かにきれいではある。
しかし、そのロマンチックな街灯の下で、なにが起きているかは分からない。

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