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【2023年ふり返り】2倍死に 2倍支払い 2倍強くなった年だった

「今年は、2倍の年だった」
これが、アメリカ大陸、主に中南米で暮らすボクの2023年をふり返って思うことだ。
2倍になったのは、
・人の死
・支払う金
・ハグの強さ
といったところだ。

2倍、人がよく亡くなった

中南米はもともと、人がよく死ぬところだ。
医療水準が低いので、日本では治せる病気、怪我でも亡くなってしまうことがある。
家の屋上で仕事をしていたら、むき出しの電線に触って感電死するなど、安全意識が低いがゆえのアクシデントも多い。
そして、なにより、強盗や脅迫、恨み、麻薬がらみ、銃撃の巻き添えなどの犯罪で殺されることがよくある。

それでも、2023年は、少なくてもボクの周りで亡くなる人が、いつもより格段に増えた。
コロナが明けたことが関係している気がする。
コロナ前は、月に1回くらい知り合いの葬式があった。
今年は・・・指折り数えてみると、月に2回の頻度で葬式があった。
病気もあるが、犯罪がらみの死因が増えた気がする。

コロナ中は、ほとんどの人が外に出なかったので、バスに乗る人も少なかった。
今年になってから、通勤も遊びも元通りになり、どんどんバスに乗るようになった。
すると、バス強盗やギャングによる脅しが激増して、巻き添えを食らっての死亡が増えたのだ。

→バス強盗のヤバさについては、

をご覧いただきたい。

犯罪が増えたと言ったが、特にギャングによる犯罪が激増した感がある。
中南米の犯罪の2大勢力は、ナルコと呼ばれる麻薬組織と、ギャングである。
2つの違いについては、

で、ご確認いただける。

簡単に言うと、麻薬組織はヤクで稼ぎ、ギャングは脅迫と誘拐で稼ぐ。
コロナ中も人々は自宅でのんびりと麻薬を吸っていたので、ナルコの稼ぎはそれほど減らなかった。
しかし、人が外に出なくなった分、人に会って商売するギャングは稼ぎがずいぶんと減ったと、その筋の方が言っていた。
それで、コロナが収束した今年になって、以前のビジネスを取り戻そうと必死になって、強盗や暴行を伴う脅迫が増えたのである。

2倍、金がかかるようになった

日本もそうだと思うが、中南米も物価高であえでいる。
そして、なにより日本人にとってはきついことに、円安が進んでしまった。
ボクは基本的に資金を日本円で持っているので、現地通貨が欲しい時には、現地ATMで引き出す。
海外ATMから現地通貨を引き出す場合、「Visa」か「Mastercard」の基準レートが基本となる。
メキシコペソで見ると、2023年1月1日当時の基準レートは、

メキシコペソと日本円2023年1月

だった。
メキシコに行くといつも食べに行く、全身タトゥーのお兄ちゃんがやっている屋台のタコスがある。
豚肉を濃い目のソースで味付けたもので絶品なのだが、コロナ前は9ペソだった。
それだと、1万円で170個くらい食べられたわけだ。

それが、2023年12月現在だと、為替レートは

メキシコペソと日本円2023年12月

になった。
物価高で、そこのタコスも値上がりし12ペソになってしまった。
円安とダブルパンチで、1万円で100個ちょっとしか食べられないことに。
なんと悲しいことか。

家賃の上昇も深刻で、軒並み3割から4割上げられている。
バスの運賃も1.5倍くらいになっている。
こんな感じで、ほぼすべての物が値上がり、円は低く見られ、生活コストは2倍くらいになったのである。

2倍、ハグが強くなった

今年をふり返って、なにも悪いことばかりではない。
仲間に会った時、ハグが2倍強くなった気がする。

ラテン人は男女、年齢関係なく、誰かに会ったらハグで始まり、ハグで別れる。
コロナ渦でずっと対面で会えず、そして会ってもできるだけ身体接触をなくすために、ハグをしてこなかった。
そして、2023年、ついに元通りに戻った。
ラテン人にとっては、キツイ減量をしたボクサーの試合後の食事のようなものである。
とにかく、仲間に会ったら、両手を高々と挙げて近づいてきて、本当に「がバッ」という音がするくらいの勢いでハグされる。
そして、強い。
ふくよかなラテン人の肉に、自分が埋もれていくのが分かる。

人は、やはりスキンシップが大事なんだなと、と感じた時でもある。
人とのつながりとストレートな愛情表現のステキさを、改めて学ぶことができた2023年だ。

皆さんの、2023年はいかがだっただろうか?

#今年のふり返り


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