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七尾旅人氏の『long voyage』の感想

​​2022年9月14日発売、七尾旅人氏によるアルバム『Long Voyage』を聞いた
​​七尾旅人氏の音楽に触れたのは、大学時代高尾のロックバーで知り合った友人の家に遊びにいった際にCD棚から『911FANTASIA』を見つけて教えてもらったのが最初だった
​​新譜である今作は、これまで打ち込みが中心であったのとは打って変わってゲストプレイヤーを迎えてのバンドサウンドでの録音をされている
​​全体を通して、シリアスでしっとりした従来通りの雰囲気で私情や社会を言葉で存在しない誰かに突き付けている
​​私は、はちゃめちゃなのにまとまりがあって音楽がありありと感ぜられる『billion voices』が一番好きだ
​​「死ぬかも」と思った時に聞いた『あたりは真っ暗闇』が脳と細胞に溶けていくように浸透するほどの奥深さがあった
​​七尾旅人氏の持つ【間】が音楽で表現されるとき、私はそれを素晴らしいと思う
​​今回のアルバムは何の情報も無くリリース日に高知でヘッドホンをつけて歩いて酒を飲みながら聞いた1回目と、車で聞いた2回目がまずあった
​​その後にPodcast番組『the sign podcast』において田中宗一郎氏がゲストに七尾旅人氏を迎えての話で曲の詳細や想いを受け取ってから、再度自宅のスピーカーで本腰を入れて聞いた
​​ここからは個人の私的な感想である
​​今回のアルバムはたくさんのゲストプレイヤーが入って演奏をしたことにより、七尾旅人氏の持つ【間】がこれまでとのアルバムと若干違いがあるように感じた
​​バンドにおいて生まれるグルーヴはお互いの信頼関係や経験があって醸成されるとのと私は思っている
​​あえてなのかはわからないのだが、そのグルーヴは私には今回のアルバムでは感じなかった
​​七尾旅人氏が音楽家として、なんらかの焦燥感を感じながら自身の音楽をバンドという形で現代の波や荒れを七尾旅人氏の言葉で音に落とし込んでいる印象をうけた
言葉は流れ去らない
​​深夜、部屋を暗くしてじっくり耳を傾けると納得するような答え出せないのだが、とても深く考えさせられるきっかけをくれた
​​流行によって流されない耐久性のある2022年の音であり、いつ聞いてもその時に想いを巡らせることのできる音楽であると思う
​​私は1リスナーとして、七尾旅人氏の音楽家としての誇りと答えがないが受け取って温めるべき贈り物を受け取ったように思う

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