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血圧って何? 測る時の注意事項は?【薬学生による解説】

みなさんこんにちは~
今日は 「血圧」 について少しお話していきます。
私は専門家ではなくただの薬学生なので、もしかしたら間違っている情報もあるかもしれません。その辺り、ご了承ください。
また、医師から個別に指示を受けている場合、その指示に従うようにお願いします。

それでは、本題に入りましょう。


血圧とは?

血圧とは、その字のごとく「血管にかかる圧力」のことを言います。これは、血液の量や血管の抵抗によって決まります。この血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧の2種類があります。(血圧を測ったときに、2つ値が表示されると思います。それのことです。)
高い値を収縮期血圧といい、心臓が収縮して、血液を送り出した時の血圧を表し、逆に低い値は拡張期血圧といい、心臓が拡張したときの血圧を表します。

高血圧の定義

さてここで、高血圧の定義について説明します。
日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019によると、収縮期血圧が140、拡張期血圧が90を超えると高血圧と定義されます。ただし、これは診察室血圧の場合です。

診察室血圧・家庭血圧とは?

高血圧の話でよく出てくるこのワード、何か説明できますか?
実はこれも見た目そのままの意味で、
診察室血圧は病院など診察室で測った血圧、
家庭血圧は家で測った血圧のことを言います。
なぜ、分けているのか?それは、病院で血圧を測定すると緊張して高い値が出てしまうからです。そのため、高血圧治療ガイドラインでは、診察室血圧は家庭血圧よりも5 mmHg高いとされています。
つまり、家庭血圧においての高血圧の基準は 上が135、下が85になるということです。

さて、ここで話を少し変えましょう。
みなさんは一番身近で血圧を測る機会と言ったら何を思い浮かべますか?
ほとんどの人が「健康診断」ではないでしょうか。

健康診断における判定区分

健康診断の結果が返される時、自分の結果の横に、その値がよいのか悪いのかの「判定区分」がきっと書いてあると思います。例えば、「正常」や「再検査」など。
この部分に関わる判定値が今年の4月から改定されたこと、ご存知でしょうか。すぐに医療機関の受診を求められる基準はなんと 上が160、下が100となっています。
この値を聞いて あれ?と思った方、いると思います。そうなんです。先ほどお話した高血圧の基準と違うのです。
実は改定前は、上が140、下が90だったのです。この改定により、高血圧の患者が大幅に減ると予想されています。(簡単に言うと医療費の削減ですね)
それでは、高血圧の基準は上回っているけれど、受診基準は下回っている人はどうしたらいいのか。それは生活習慣の修正です。
これは、厚生労働省の「標準的な健診・保険指導プログラム」にも書いてありました。

生活習慣の修正

高血圧ガイドラインにも載っていた修正項目を以下に示します。
・食塩制限(減塩目標は食塩6 g/日未満)
・食事パターン(野菜・果物の積極的摂取、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取は控える)
・適正体重の維持(BMI 25未満)
・運動(有酸素運動を毎日30分)
・節酒(エタノールとして男性20-30 mL/日以下、女性10-20 ml/日以下)
・禁煙
・その他 ストレス管理など

この項目を見て、みなさん割と納得できるのではないでしょうか。いわゆる健康的な生活を送ることを目指すように言われているのです。
現在少し血圧が高いな、という人は早めに生活習慣を見直してみましょう。
※始めにも書きましたが、高齢であったり、血圧が特に高い人はこの限りではないです。無理に運動をしたり、痩せたりしないようにしましょう。

血圧の正しい測り方

やっと今回のテーマ2つ目の「血圧の測り方」まで来ました。
ここまでの話を受けて、家で血圧を測ってみようかな、という人 とてもいい試みです。なんと日本で自らの高血圧を認識していない人は1400万人いるといわれています。
血圧測定において重要となってくるのは「測定条件・方法」です。
特別なものなどは必要とせず、すぐに実行できることなのでぜひ覚えて帰ってください。

【測定条件】 ※JSH2019より
1日2回朝晩
・朝(起床後)1時間以内
排尿後、朝の服薬前、朝食前、座位1-2分安静後
・晩(就寝前)
座位1-2分安静後

【測定方法】
①落ち着いた状態で測る。測定中は話をしない。
興奮状態や、会話をすると血圧が高く出てしまいます。少しリラックスしてから測りましょう。
②背もたれ付きの椅子で足を組まない状態で測る。
これも緊張した状態で測らないように、ということです。
③血圧は1度に何回か測る。
1回目は基本少し高い値が出てしまいます。これは正確な値ではないので、できれば1度に3回、最低でも2回は測ってほしいです。
④心臓の高さと同じ高さで測る。
家庭用血圧計だと、ほとんどが自分で腕に巻くタイプだと思います。(巻く場所は、血圧計の取扱説明書にも書いてあると思います。)自分で巻いたあと、巻いた位置が心臓の高さになるように、腕の下にクッションを置くなどして高さ調節をしましょう。
⑤何日か継続して測る。
1日のデータだけだと、その日だけ極端に高かった、などの可能性が残り、正確性に欠けます。1週間は頑張って継続しましょう。


いかがでしたか。今回はここまでで終わろうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます!
健康に元気に過ごせるように、血圧と上手く付き合ってみてください。
高血圧についてもっと知りたいよ!という方は、日本高血圧学会が出している高血圧ガイドライン2019(最新版)をご覧ください。

それではまた~


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