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悪女/AKUJO 韓国版「ニキータ」以上の壮絶なレディスバイオレンスアクション

あらすじ

父親を殺され、犯罪組織の殺し屋として育てられたスクヒ(キム・オクビン)は、育ての親ジュンサン(シン・ハギュン)にいつしか恋心を抱くようになり、二人は結婚する。甘い新婚生活に胸躍らせるが、ジュンサンは敵対組織に無残に殺害されてしまう。
逆上したスクヒは復讐を実行するが、国家組織に拘束され、10年間ミッションを務めれば自由になるという条件で、生まれてくる子供のため国家直属の暗殺者となる。
やがて運命の男性と出会い、幸せを誓うが、結婚式当日に新たなミッションが降りかかる。
だが、ターゲットは予想もつかない人物だった。スクヒの前に途方もなく過酷な宿命が、立ち塞がる。

感想など

冒頭のスクヒが敵対組織のビルに乗り込んで皆殺しにする虐殺アクションシーンでは、主観映像による演出で観客をがっちり掴むと至近距離での長回しによる虐殺アクションに切り替わるという感じの演出から、中盤の深夜の一般道でのハイスピードバイクチェイス&チャンバラアクション、スクヒVSラスボスの壮絶ナイフバトルそしてスクヒが激走する車からバスに飛び込んで手斧で車内の敵を血祭りに上げていくクライマックスの壮絶バトルまで、スタントマン出身のチョン・ビョンギル監督が「韓国ではあまりないヒロインをメインにして見たことのないアクションを見せてやる!」という意気込みと劇中アクションシーンのほとんどをノースタントで演じたキム・オクビンの「女性にアクションが向かないとは言わせない!」という熱意ががっちり組合わさった常軌を逸しているようなバイオレンスシーンの連続で度肝を抜かれる。
父親への復讐のためマフィアの殺し屋になり、その腕を買われ国家直属の暗殺者になるという過酷な宿命に翻弄されながらも、普通の幸せを夢見るスクヒの葛藤は、「ニキータ」や「キル・ビル」以上に丁寧に描かれている。
スクヒを愛するふたりの男の愛し方も対称的で、ロマンチックで切ない味付けがされている。スクヒの儚さと狂気と哀しさを演じ切ったキム・オクビンの魅力が全面に出ていて、ヒロインアクションに、革命を引き起こした傑作バイオレンスアクション映画。

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