ポール オースターさん

上村はポール オースターさんの作品のよき読者であると思っています。
先日、オースターさんが亡くなったと知りました。
77歳
ジョン アーヴィングさん、アントニオ タブッキさん、椎名誠さんが戦前、スティーブン キングさん、島田荘司さん、北村薫さん、村上春樹さんが戦後ですが、だいたい同じ世代で1940年代生まれです。

オースターさんは一時、小説の執筆が間遠になって、他の仕事が増えてきたので、高齢の作家の望ましくない軌道に入ってしまったかと思ったこともあるのですが、また小説の執筆が増えていたので、新作を読めると楽しみにしていたのでした。
上村にとっては 面白い、ではなく、好き そういう作品なのです。知的で静かな感じ。たいていは父親や何か失われたものを探すという物語なんです。喪失感というものは ユダヤ系のアメリカ人ということとも関係があるのかもしれません。上村はそういうこととは関係なしに 上村自身の内面と通じ合うものがあって 寄り添われているような感覚が今思えばあったのでしょう。
たぶん最初に読んだのは「ムーンパレス」で、その後 短期間にどんどん読んでいって 日本語訳された小説をすべて読んでしまったので、英語で読むことにしたのです。Liviathan , ORACLE Night , The Brooklyn Folliesはとくに惹かれた作品です。
現在発売されているものだと、たぶん これが最後の作品です。

昨年末に、なにげなく書店の書棚を観ていて見つけたときは、やったー 新作が読める― とわくわくしたものです。
原稿はあるけれど、出版はされていないというものがあれば読んでみたい。
以前も、プロデビュー前の作品(「スクイズ・プレー」)が文庫化されたことがあって その作品にもオースターさんらしさを感じました。
これからオースターさんの研究というものが進むのでしょうけれど、
上村としては、ずいぶん前に英語では読んだけど、内容も忘れたころだし 日本語では読んでいないという作品を読むことで、オースターさんの息吹を感じられたらいいなと思っています。

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