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データスチュワードとは【データ用語解説】

データ用語解説の趣旨

データに係る仕事をしていて、まだまだデータ利活用に関する用語を誤解していることが多いなと感じています。
という事で、データ利活用に係るデータサイエンティスト、データエンジニア、ビジネス部門、業務部門の人たちが押さえておきたい用語を解説していきます。
今回は「データスチュワード」について解説します。

データスチュワードはデータガバナンス体制を構築する上で重要な役割になってきます。

DMBOK第3章のデータガバナンスに体制の話が書かれているので気になる方はこちらを。

データマネジメントについての情報

データ用語解説

データ用語の解説を書いてます。

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データスチュワードとは

データスチュワードとあるが、まずスチュワードとはどういう意味なのかを調べてみる。

管財人
〔大邸宅の〕執事、家令
〔ホテルやクラブなどの〕執事、給仕長
〔船の〕司厨長、賄い長
〔船や飛行機の〕給仕、ボーイ、客室係、スチュワード
〔イベントの〕幹事、世話役

https://eow.alc.co.jp/search?q=steward

昔飛行機のCAさんの事をスチュワーデスといったが、それの男性形がスチュワード。ついでに英語辞書で調べてみると

a person whose job it is to organize a particular event, or to provide services to particular people, or to take care of a particular place

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/steward

飛行機のスチュワーデス以外では、F1の審査員の事をレーススチュワードと言いい、元F1レーサーといったF1の有識者から構成される組織もある。

データスチュワードはF1のレーススチュワードと同じような意味で、データに関する有識者から成り立ち、データに関する監視を行い適切な活動を行うためのガバナンス組織という意味合いで使われているような感じである。

データスチュワードの任命

データスチュワードは、ビジネスもしくは業務知識とデータマネジメントの両方の知識が求められる。データを理解するためにはデータを生み出す業務の理解が必要であるからである。

その様な知識を持つ人は社内にすでに存在することが多い。データスチュワードはその様な人を発見し、任命するとよい。

任命したデータスチュワードを軸に適切な体制を整えることで、体系的なデータガバナンス体制を整えることができる。
具体的な会社としてのデータガバナンス体制は、CDOがオーナーシップをとり、その直下のCDO組織とビジネスもしくは業務領域ごとのデータスチュワードで構成される。

適切なデータスチュワードを任命できたデータガバナンス組織は以下を事項を促進することができる。

  1. 分析の高速化

  2. ビジネスもしくは業務領域を横断した分析

  3. データ基盤の適切な管理

  4. システム間のデータとドキュメントの交換

  5. 最適化されたデータ収集の仕組み

  6. プライバシー、法律、エラーへの適切な対応

データスチュワードの役割

データスチュワードには3つの役割がある。

1つ目は、組織内のデータガバナンスを遂行する役割であり、組織のデータマネジメント活動が正しく行われているか管理・監督する責任を持つ。

2つ目は、組織のもつデータを資産として管理するデータマネジメント活動を行う役割で、主にデータ品質に責任を持つ。

3つ目は、データを活用する専門家としての役割であり、管理したデータを自分の領域内で活用し、ビジネス的な成果を生み出す役割を持つ。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

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