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これからのデータ活用のために必要なのはデータプロダクトマネージャーだ

この記事は datatech-jp Advent Calendar 2022 の 20日目の記事となります。

はじめに

データ基盤を管轄している部門がシステム系の部門に位置づけられており、ビジネスとの連携が上手くいっておらず、既存の保守を中心となり新規取り組みが上手く回っていない事がある。

起きている事例としてはこのようなことがある。

  • 使われないダッシュボードを量産する

  • 使われないデータをDWHに蓄積する

  • 新たにBIを導入するが、誰にも使われない

本記事ではなぜこのようなことが起きてしまうのか、打開するためにはどのような役割が必要なのかを書こうと思います。

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データをビジネスに活かせない課題

ビジネスのためにデータは必要であると言う事は浸透してきた。ただし組織としてデータがフルに活用されている状況というのはまだまだ多くない。なぜ活用されないのかというとこのようなことが考えられる。

旧来のビジネス組織はデータを使ってできる事を理解しておらず、データを活用して、どうやったらビジネス活用できるかという事をあまり理解していない。

また、データ組織はビジネスの事を理解しておらず、データをビジネスのどの部分に組み込めばビジネスに効果が出るのかというのがわからない。

データ組織とビジネス組織の連携がうまく回っている組織は珍しいように感じる。

ビジネス組織は忙しい

ビジネス組織は毎期に予算と呼ばれる目標を持っており、その数値を追っている。新しい手段を考える余裕もなく、既存の改善にて達成を目指すケースが多い。

安定している組織ほどコストカットの名目で人が減らされて、疲弊していることが多い。

そういう状況であり、新たな知識を取り入れる時間が無くなってしまっている。

データ組織は専門家

データ組織はビジネス組織のように明確な目標がなく、未来のための投資として結成されているケースが多く、短期的な成果は求められていない。

組織編成もビジネス業務を理解している人は少なく、データの専門家集団で結成されており、ビジネス目標の達成が目的になっていない。

経営陣に向こう3年の未来を見せることが目標となっている。

ビジネス組織とデータ組織の連携状況

そんな中、データ組織からビジネス組織へこのような提案がある。

  • ○○という技術があればこんなことができます。

  • 分析した結果○○でした、

同じ会社のメンバーを無下にすることもできずに「そうなんだ、イイネ!」
と回答し、データ組織はそれを鵜吞みにして機会だと捉える。

ビジネス組織が欲しいのは、自らの手を動かさずお金もかからなくて予算達成に近づくことであり、データ活用という手段にはあまり興味がない。

データ組織は成果が欲しいがビジネスに詳しくなく、実際のビジネスに沿った提案ができない。

その様な関係になってしまい、データ活用の結果をビジネスに組み込み手を動かす人が存在せず、絵に描いた餅に終わってしまう。

データプロダクトマネジメント組織が必要

絵に描いた餅にならないためには、データ組織が専門家集団ではなくデータをグロースする組織にならなければならないと思う。

データについてもプロダクトのように、作ることが目的の集団ではなくグロースすることをミッションとしており、そのスキルを持つ組織である必要がある。

データを使ってビジネス価値へのコミットする組織としてデータプロダクトマネージャーという組織を作ってはどうか。

データプロダクトマネージャーは海外では盛り上がっている模様。

同じような概念なのかはわからないが、実際10Xでは求人もかかっている。

データが一時のブームで終わらないためにも

今のデータ組織は投資対象となっているので、短期的な成果を出さなくても即解散とはならない。

ただし、3年間成果がでなければ、投資ではなくてコストと見られカットされる可能性が出てくる。

データがビジネスに役に立つことを証明して、一時のブームで終わらずプロフィットセンターとして輝かなくてはいけない。

データ組織はデータプロダクトマネジメント組織となり、既存のビジネスをデータによって価値を生み出すことにコミットしよう。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッター(@yoshimura_datam)でもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

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著者もDMBOKを読むためには非常にボリュームが多く読み解くには苦労するので、かみ砕いた解説書をまとめたと書いてある通り、DMBOKを独自解釈してわかりやすく書かれている。
DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。

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