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データオーナーとは【データ用語解説】

データ用語解説の趣旨

データに係る仕事をしていて、まだまだデータ利活用に関する用語を誤解していることが多いなと感じています。
という事で、データ利活用に係るデータサイエンティスト、データエンジニア、ビジネス部門、業務部門の人たちが押さえておきたい用語を解説していきます。
今回は「データオーナー」について解説します。

データオーナーはデータガバナンス体制を構築する上で重要な役割になってくる。
DMBOK第3章のデータガバナンスに体制の話が書かれているので気になる方はこちらを。

データマネジメントについての情報

データ用語解説

データ用語の解説を書いてます。


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データオーナーとは

データオーナーは「オーナー」という名の通りデータの所有者という意味である。

データは無から発生することはなく、サービスや業務から発生するものである。データを発生するサービスや業務を握っているデータの所有者をデータオーナーと呼ぶ。

そのためデータオーナーは任命するというよりも自然になっているものであるが、それゆえにデータ組織としての責任感を持ってもらうのが難しい。

なぜならば、データオーナーはサービスや業務がメインであり、分析用データについては副産物的に発生した役割という意識があるケースがあるからである。

データオーナーに対して、データの重要度を説いて、生成する段階から利活用しやすいデータにしてもらうという事が重要であり、データマネジメントを行うための重要なポイントとなる。

似た役割にデータスチュワードという役割があり、データオーナーが生成したデータを利用者に向けて案内するようなことをやっており、両者が協力して組織のデータ利活用を活性化していく必要がある。

データスチュワードについてはこちらの記事を参考にどうぞ。

データオーナーの役割

データオーナーの役割は、サービスや業務を握っているが故にできることに集約される。

データオーナーはデータオーナーという役割以外に、サービスや業務があるためにデータに関する役割は最低限にしたほうが良い。

具体的には、データの生成時に利活用しやすいデータにするということと、生成したデータのビジネス的な意味を説明することである。

データの生成時に利活用しやすいデータにするということ

データを業務としている人にとっての当たり前はサービスや業務を行っている人にとっては当たり前ではない。

例えば、データの形式だったり、よくわからないコード定義だったり、欠損や意味不明な内容であったりなど業務では動けばいいとして取り扱っていたものがデータ利活用するときは致命的だったりする。

データマネージャーからの依頼の元、データ利活用の意味を認識して、データ利活用のためにどのようなデータを生成すればいいのかを理解して、生成してもらう必要がある。

生成したデータのビジネス的な意味を説明すること

サービスや業務を行う時には、ビジネス要件から始まって、セキュリティ要件であったり、法的要件といったことが考慮されてデータ設計されており、その意味を一番知っているのはデータオーナーである。

また、そういった理由もあれば、業務上、システム開発上の都合によって「売上」カラムの中に「利益」のデータが入れられていることもあったりして、やはり内部事情をしっているのはデータオーナーである。

そういったことをデータ利活用する人たちに説明してもらう必要がある。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

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