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🌃日本が今すぐにでも必要とするデータジャーナリズム


データジャーナリズム。

まだあまり聞き覚えがない言葉だと思いますが、その名の通りデータを駆使して報道する手法です。データジャーナリストは大量のデータを収集、分析し、その結果を視覚化し、私たちが従来の報道からは見えないであろう現象を見つけ出し報道する職業です。データの信頼性や正確性を確認する事も責任としてあるので、とても重要なジャーナリストの仕事とも言えます。AIが使えるようになった今日でも、プログラミング言語や統計学についての知識が要求される職業です。

昨今日本を騒がしている様々な問題や事件などの報道を追っていても、やはりすぐに気づく事が、報道対象の事実や現象に対してのなんらかのデータ化と視覚化が決定的に少ないという事です。
もちろん被害者のそれぞれの被害背景を含めたストーリーを活字で報道することは必要不可欠です。ただ、メディアが何等かのその事件の全体像を把握できるようなデータを収集、そしてそれを可視化して視聴者や読者に提示しないかぎり、その事件がどれだけ大規模かつ長期的に渡るものだったのか、などを含めた全体像がニュースを消費する側にいる私たちは把握しづらいという問題点があります。

だからこそ報道する側である大手新聞社を含めた主要メディアが率先してデータを収集し、様々な角度から可視化して視聴者・読者に提示、しかもそのデータをできる限りオープンソースにして公開するべきだと思います。

海外の例

FiveThirtyEight

例えばスポーツ分析や政治分析に特化したABCNews傘下であるFiveThirtyEightでは、大統領選に向けた世論調査の結果を随時アップデートし、大リーグシーズン中にはアナリティクスやリーグ優勝予測データも公開しています。データはGitHubで公開されているのでユーザーはいつでもデータをダウンロードする事ができます。


ニューヨークタイムズのデータセクション

ニューヨークタイムズオンライン版ではデータに特化したセクションを設けていて、同紙のデータに関する取り組みや、独自の機械学習モデルがどのようにして構築されているのか、など透明性が求められるデータに関する幅広いトピックを取り上げています。ただし、FiveThirtyEightのようにローデータがダウンロードできるページは見つける事はできませんでしたが、同紙データージャーナリストが個人で開設したGitHubページ上でデータを公開しているケースはあります。


NBC News

NBC Newsオンライン版ではニュースグラフィック専用のページが設けられていて、ビジュアライゼーションを通して報じるニュースという側面で報道がされています。
例えば物価の上昇に関するニュースではこのようなマトリックスプロットで生活必需品が時間を追うごとにどのように価格変動をしているかを表していて、とても興味深いです。

米:生活必需品ごとの価格変動の様子をタイムシリーズでマトリックスプロット化


日本では

日経経済新聞では新卒向けのデータジャーナリズムコースがあるようです。経済関連の媒体は特にデータ関連では最先端を行くべきなので、これはとても良い動きだと思います。ただ日経オンライン版を見る限りは、データビジュアルに焦点を置いた報道セクションというものは見当たりませんでした。読んでみた記事ほとんど全てが活字でした。

少し残念なのが朝日新聞です。2014年の時点でデータジャーナリズムを新たな報道手法として朝日学情ナビで取り上げているのですが、その後の動きと現在の取り組みがよく伝わってきません。そしてデータベースが存在しているのは確認できたのですが、残念なことに有料記事のみのデータベースでした。


そして今このデータジャーナリズムを一番に取り入れるべき媒体

それは週刊文春だと思います。もちろん全ての主要媒体がもっと積極的にデータを取り入れた報道がなされるべきだとは思います。

例えば某芸能事務所が起こした前代未聞の事件。週刊文春はどの媒体よりも膨大な情報があるはずだし、これからも入ってくるはずです。
今ある情報とこれから入ってくる情報をもとにデータを構築し、そしてデータの可視化をすることで、現時点での被害状況や背景、そしてタイムシリーズを使って時系列で事件の経緯を追うことができます。そうすることによって色々なところに散らばる情報を一つのビジュアルに集約して伝える事が可能になり、読者も事件の概要を知る事ができるのではないでしょうか。

そしてみんながデータジャーナリストになれる時代

上に述べたような作業ができる人材は、やはり冒頭にも記した通り、プログラミング言語や統計学について知識が(現時点では)要求されます。同時にデータエンジニアとデータサイエンスの知識や経験が必要です。しかしPower BIやTableauといったノーコード・ローコードのBIツールが浸透し、しかもこれからもっとAIを搭載した新しいサポートツールがリリースされると言われています。これからはデータジャーナリストになりたい人達がバリアなく技術を習得し、仕事に活かせる時代に入っていくのではないでしょうか。

データジャーナリスト。まだまだ聞いたことない職種だと思いますが、これからはデータジャーナリストになり得る人材をどのように育成して確保していくかがとても重要になってくると考えます。


🖊️これからも主要メディアのデータへの取り組みを見ていきたいとおもいます。何か気づいたことやご意見などがあればコメント欄からお願いします。

🚀 疑問に思った事はデータ化して自分なりの答えを探していこうと思います。そしてその答えがどこかにいる誰かの為になる事を願っています。

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