𝕕𝕒𝕣𝕤𝕠𝕠/須田 さ紀え

𝕕𝕒𝕣𝕤𝕠𝕠/須田 さ紀え

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  • しりとり手帖

    • 27本

    しりとりをしながら、最後の音節で始まる言葉をテーマにした何かを担当メンバーが発信します。

記事一覧

暗渠 担当:須田さ紀え

 上京してきたばかりの頃のわたしをイラつかせたもののひとつ、それは 「至るところにあるうねうねした道」 だった。  18歳まで過ごした北海道では、こっちに行けば目的…

ルイボスティー 担当:須田さ紀え

しりとり手帖、今年最後のお題は「ルイボスティー」。 ノンカフェインのお茶はいろいろあるけど、私の中では「あるとうれしい」度が一番高いお茶かもしれないです(最近は…

モスバーガー 担当:須田さ紀え

10月某日 晴れ 5回目のコロナワクチンを打ちに隣町へ行く。予約時間は13時20分、でも11時には隣町の駅前商店街に着くという前のめりぶり。自宅から20分ほど歩くので近く…

すいみつ 担当:須田さ紀え

盆の夜にストーブを焚くこの家はどんな桃でもすいみつと呼び しりとり手帖、第4回担当の須田さ紀えです。 『mg.』というZINEに小説や短歌・エッセイ・コラムを寄稿してい…

魔法が使えなくなってからが人生

若くて、自信と勢いがあって、かつ何も知らない人だからこそ使える魔法がある。 なりたいものには何にだってなれる、と信じ込むこと、 自分の可能性を疑わないこと、 周り…

暗渠 担当:須田さ紀え

暗渠 担当:須田さ紀え

 上京してきたばかりの頃のわたしをイラつかせたもののひとつ、それは
「至るところにあるうねうねした道」
だった。
 18歳まで過ごした北海道では、こっちに行けば目的地に着くはず、と確信して進んだ道の先があらぬ場所につながっている、ということなんてほぼなかった。街の道路はだいたい碁盤の目状に整備されていたから、どんなにぼんやりしていても方角さえ間違わなければ目的地にたどり着けていたし、それが当たり前

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ルイボスティー 担当:須田さ紀え

ルイボスティー 担当:須田さ紀え

しりとり手帖、今年最後のお題は「ルイボスティー」。
ノンカフェインのお茶はいろいろあるけど、私の中では「あるとうれしい」度が一番高いお茶かもしれないです(最近は扱っているコンビニが増えてきてるし、もしかしてひそかにブームが来ているのかも?)。
今回せっかく「る」が回ってきたことだし、これをきっかけに深掘りしてみようと思ってたくさんルイボスティーを買ってきました。
しかもただレビューするだけでなく、

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モスバーガー 担当:須田さ紀え

モスバーガー 担当:須田さ紀え

10月某日 晴れ

5回目のコロナワクチンを打ちに隣町へ行く。予約時間は13時20分、でも11時には隣町の駅前商店街に着くという前のめりぶり。自宅から20分ほど歩くので近くはないのだけど、この町には「全て」があるので余裕を持って(むしろ持ちすぎて)来てしまう。カルディ、成城石井、スタバがあるTSUTAYA、そして巨大な無印。自宅周辺は「〇〇区のチベット」と呼ばれるくらい何もないので、たまにこっち方

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すいみつ 担当:須田さ紀え

すいみつ 担当:須田さ紀え

盆の夜にストーブを焚くこの家はどんな桃でもすいみつと呼び

しりとり手帖、第4回担当の須田さ紀えです。
『mg.』というZINEに小説や短歌・エッセイ・コラムを寄稿しています。

しりとり→竜宮城→ウスターソース に続くのは「すいみつ」。
わたしの出身地(北海道)の方言で「桃」を指す言葉です。
語源の「水蜜桃(すいみつとう)」は主に白桃を指す言葉ですが、北海道では方言として桃の種類を問わず使われて

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魔法が使えなくなってからが人生

魔法が使えなくなってからが人生

若くて、自信と勢いがあって、かつ何も知らない人だからこそ使える魔法がある。

なりたいものには何にだってなれる、と信じ込むこと、
自分の可能性を疑わないこと、
周りを壮大なハッタリに巻き込むこと、
今しか見ず、自分のための人生を、生きたいように生きること。

だけど、年をとればとるほど、魔法を使える条件は目減りしていく。

なりたくてもなれない姿があること、
したいこと全ての方向に可能性が開いてい

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