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【基本】「フェイク・バスターズ」を題材に整理 先輩・後輩の番組をチェックする際のポイント

今から10年以上昔は、同じ部内のPDが番組を制作した際には、みんなで揃って放送を見てああだこうだ自説を述べあったものです。しかし、最近は、協会内の人間関係が希薄になったこともあってか、フラットに意見を述べ合うことさえほとんど無くなりました。

ですが、プロの視点で番組をチェックして、ダメな点を詳らかにすることで自らのスキルアップに繋げられるようになることは大事です。

そんなわけで、今回はフェイク・バスターズを題材にして私がどんな視点で番組をチェックしているのかを解説してみます。

番組提案が通った経緯を探る

まず押さえて欲しいのは、なぜそのような番組が制作されたのか?です。フェイク・バスターズのシリーズに関しては、視聴率的にも大した事が無いのがわかっています。

その上、内容的にもかなりお粗末です。番組内では、あくまで荒唐無稽なフェイク情報が取り扱われるだけで、その事象に関する科学的な視点からの深い洞察などはありません。

にも関わらず、何本も制作されているからには、裏があります。換言すれば、その裏が番組提案をあなたが通す上での狙い所になるわけです。

フェイク・バスターズに関して言えば、NHKのネット業務の拡大と、ネット受信料の強制徴収でした。

上記の記事が少し参考になります。NHK的には、通信料金とセットでネット受信料を徴収することで受信料収入を拡大し、将来の人口減少に伴う方そう受信料の減少を補う思惑がありました。

SoLTもその一環で作られたものです。実際には、職員の姉弟や家族が多く働いていて非常に疑わしい集団ですが、根拠としては「NHKは情報空間にはびこる誤りを正す活動をすることで、国民が適切な情報を得られるように貢献している」=ネット業務は正当であり、落ち目の新聞を補うためにも拡大が必要だという大義名分で活動してきました。

フェイク・バスターズは、このようなNHKの将来的な“戦略”を正当化するために始まった番組です。恐らく、ネット業務に制約がつけられた以上は縮小していくと思われますが、このようにNHKの中長期の計画に対して敏感になることで、番組提案を通すことが出来るのです。

スタッフロールから政治的意図を探る

合わせて大事なのがスタッフロールの確認です。

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