女vs女

悶絶している
PMSという波状的精神攻撃が終息したと思ったら
今度はトイレが血の海だ
おなかが痛い
が、おなかが痛いと呻くぽっちの力もない
真夏でも腹にカイロを貼って
体を丸めて眉間に皴を寄せているのみだ
私の中の雌が正気を失っているのだ
暴れ狂ってこの１週間の支配に
真っ赤な王冠を賜っている
なぁやめてくれよ
私たちは同志ではなかったのか
頼むから仲良くしてもらいたいけど
彼女は毎月私の上に君臨するのを
愉しんでいるかのようだ
私に可能な反撃といえば
ひたすら鎮痛剤を飲みしょっちゅうタンポンを入れ替えるだけ
なぜ自分自身と戦わなければならないのかが
とても悲しいが悲しみより腹痛が勝って
今は心の相手をしている余裕はない
ただひとつだけ有難いことがあるとすれば
体に苦痛を感じている時には
鬱がどっか奥の方に引っ込むのだ
身体にダメージを喰らっているほうが
精神が闇に苛まれるよりは１００倍楽なので
そのことだけは私の中の雌に
心から感謝してい⋯⋯るけれども
やっぱりおなかが痛いよ
仲良くしようぜベイビー
君と戦いたくないんだ
売られたケンカはもれなく買う私だけど
君からのケンカはいなしておくよ
だって一心同体
ずっと共に生きて来ただろう
そしてこれからも
和平の準備はとっくに整えてあるんだ
あとはそっちが判子を押してくれさえすれば
でもたぶん決裂するだろうなぁ
だってさっきよりも更に
経血はあふれておなかの痛みは増すばかり