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個人のインディーゲーム開発者です。ゲームブック風マルチエンディングRPG『いのちのつかいかた』開発中。 noteではゲームデザインに関連の記事を中心に書いていく予定です。 長文じゃないのはTwitterでつぶやいてます(#ゲームデザインを語る タグ)。

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ユニコーンオーバーロードのバトルシステムが素晴らしかったのでそのヤバさを説く

ユニコーンオーバーロード、好評ですね。 メーカーから品薄のお詫びがでるほどでした。 (あ、ここの話はそんな重要じゃないので面倒な人は目次までスクロールしてください) ユニコーンオーバーロードを作ったヴァニラウェアさん(アトラスさんは販売担当)といえば根強いファンを持つゲームメーカーです。よく2DアクションかRTSを作っています。 2Dアクションだと「朧村正」や「ドラゴンズクラウン」、「オーディンスフィア」など。 RTSだと「グリムグリモア」や「十三機兵防衛圏」。最近だと

    • 装備やスキルを組み立てる時に考える『対策』と『押し付け』の話

      自分の作っているゲームに対して、手に入ったら嬉しい装備やスキルを用意したいですか? いろんなクラスや職業を用意して、プレイヤーが自分なりの成長や戦い方で遊べるようにしたいですか? ゲームにおける装備などの報酬やスキルの習得といった成長要素は、非常に重要な要素です。冒頭で挙げた2つの問いにはYESと答える人も多いんじゃないでしょうか。 だがしかし。 コレらは相反する要素になることもあり、ちゃんと考えないと はたまた なんてことも起きえます。 というかゲーム制作の現場で

      • 『ちょっとの違い』が作る飽きない戦闘システム

        人間ね、同じことばっかりやっていると飽きていきます。 これはゲームデザイナーとしては避けられない問題です。5時間遊んで面白いゲームが、50時間遊んで面白いとは限りません。 せっかく面白い戦闘システムを作っても とか言われちゃうと悲しいか苦しいというか、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ー!!! なので、じゃんじゃん新しい要素を追加していって飽きさせないようにしたいわけですが。 しかし新しい要素の追加というのは工数がかかります。金も時間もかかるわけですが残念ながらそれは有限です。湯水のよう

        • 歩いていて楽しいダンジョンの作り方

          ダンジョン、作るの得意ですか? なんとな~くマップタイルを敷いてみたり。 なんとな~く分かれ道を作ったり。 なんとな~く行き止まりに宝箱を置いたり置かなかったり。 なんとな~く敵を配置してみたり。 なんとな~く謎解き要素を入れてみたり。 していませんか? ダンジョンってそれっぽく作ることは簡単なんですよ。 ただ、そうして作られたダンジョンが面白いかどうかはまた別です。 ぶっちゃけ、 というのが現実じゃないですかね。なんとな~く作ったダンジョンが、なんとな~くつまらない

        ユニコーンオーバーロードのバトルシステムが素晴らしかったのでそのヤバさを説く

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          バトルを面白くするために『ランダム性』をどう使うか?

          ゆうしゃの攻撃!ミス!〇〇によけられてしまった!! というのはターン制バトルにおけるランダム性の1つの例(命中率によるランダム要素)ですが……。 はたして、この「攻撃が当たらない事もある」というシステムがあることでゲームは面白くなるでしょうか?言い換えるならば、 になっていないでしょうか? ランダム性はあればあるほど良い……というものではなく、上手く使わないとゲームの面白さを損ねることがあります。 今回の記事ではこの、バトルにおける『ランダム性』について深堀していこうと

          バトルを面白くするために『ランダム性』をどう使うか?

          ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

          ゲームって、「データ」をいっぱい作らなきゃいけないんですよ。 例えばドラクエのごとく「スライム」を登場させるにしても、 とか。 でも頭の中で考えるだけじゃゲームは生まれないので、ゲームに反映するためにちゃんと「データ」として持たなければいけません。こういう感じに。 問題はですね。 って話があるんですよ。 データ数が少ないならまだしも、コンシューマのゲームみたいにがっつり作りこむゲームとか、ソシャゲみたいな長期間の運営するゲームみたいのはモロに影響を受けます。 私は制作

          ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

          中国のインディーゲームパブリッシャーと契約してたけどお別れすることになったので、その経緯とやっていく中で得た知見を書こうと思う

          ※最初に言っておくと、喧嘩別れしたわけじゃないので悪しからず。 今回の話は表題の通りです。 現在制作中の『いのちのつかいかた』を作っている過程で、必死こいてパブリッシャーさんを探して契約までこぎつけたりしたんですが…… 契約をする前も、した後も、色々とあったし今回の経験で今後パブリッシャーさんを探す人にも役に立ちそうな知見が得られたので共有しようかな~と。思いましてね。 (あとついでに↑のゲームがアーリーアクセスを開始したので、その宣伝もしたいな☆と思いましてね) と

          中国のインディーゲームパブリッシャーと契約してたけどお別れすることになったので、その経緯とやっていく中で得た知見を書こうと思う

          『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

          難易度をゲームの開発者に合わせたら、難しすぎるクソゲーが出来上がっちゃった! ……まぁ、良くある話ですよね。ゲームの開発者って、 ので自分がちょうど良いと思う難易度にしちゃうと「知り尽くしてて何度もやっている人向けの難易度」になってしまったり。 その結果、多くの初見プレイヤーからしたら難しすぎて「クソゲー」の烙印を押されてしまう、なんてことはよく言われる話です。 とはいってもゲームを作る以上は、我々開発者達はクソゲーの烙印に怯え震えながらもなんとか難易度調整はしなきゃいけ

          『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

          自分の作品に対する感想に殺されないためのガイドライン

          この時代、作品を作るハードルってのはけっこう下がってますよね。 漫画であれ小説であれゲームであれ、作るのに便利なツールがあり、気軽に作品を発表できる場があり、SNSなんかでエゴサをするのも簡単です。 んで制作者の方は簡単に、容赦のない感想・批評にも晒されるわけです。 またマイナスの言葉はけっこう影響力が強いもので、 ってのも珍しい話ではありません。 良くも悪くも作品の感想というのはクリエイターの心を揺さぶります。 なので自分の作品に対する感想との付き合い方をミスると、ま

          自分の作品に対する感想に殺されないためのガイドライン

          『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

          ゲームのボス、状態異常が効かない(効きにくい、ほぼ有効に使えない)ことも多いです。こういうツイートがバズるくらいには効かない。 私自身、ゲームを遊んでいてボスと戦うときなんかは と思いながら戦っている節はあり、何の情報もない状態で戦う時は攻撃方法から除外していることも多いです。 ちゃんと作られていないと みたいなことにもなりかねません。もったいない。 ボスに状態異常が効かないのは制作上都合が良いこともあるんですが、1つのシステムの使い方が非常に限定的になったりするので

          『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

          あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

          みたいなフレーズ、RPGの宣伝なんかでたまに目にするんですけどね。実際にゲームの内容を見てみると、 って思うこともよくあります。いやそんなのただの宣伝文句じゃねーか、大人げないこと言うなよ空気の読めや!って言われるとアレなんですけども。 ただ改めて考えてみると、「冒険しよう!」って言われた時に想像する面白さ、ワクワク感って、戦闘とかじゃなくてむしろ『移動』の部分になるんじゃないのか?って思うんですよ。 現実の冒険家だって、原住民とのバトルを楽しみに冒険する人はいないでし

          あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

          頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

          戦闘のあるゲームを作るなら、考えないといけないのがダメージの計算式。でも、計算式のコツとか基本とか調べると、小難しそうな話が出てきて め、めんどくせぇ~ ってなったりしませんか?私はなります。色んな計算式とその特徴を羅列されても、よくわかんなくなっちゃう。 とはいえ私もゲームデザイナーの端くれなので、ダメージ計算式を考える機会がそれなりにあります。そして他人の作った変な計算式に苦しめられることも、いっぱいあります。泣きたい。 大元の計算式が悪いと、それを利用してバラン

          頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

          コロナ禍における激動のオフラインBitSummit出展記録(体験談)

          日本最大のインディーゲームイベント、BitSummit。 今年(2021年)の「BitSummit THE 8th BIT」では 業界の関係者のみオフライン、一般の人はオンライン という少し変わった形で開催となりましたが、出展者としては満足のいく結果となりました。 それと同時に変わった体験もできたので、この記事はそれも含め、 ・どんなやらかしをして、どんな反省をしたのか ・どんな良い事があったのか ・イベントに出したことによる、メディアやパブリッシャーの動き ・公式

          コロナ禍における激動のオフラインBitSummit出展記録(体験談)

          どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

          今の主流はアクションゲームですが、私はターン制のゲームも好きなんですよ。そもそもアクションとターン制のゲームって、面白さの方向性が違うので比べる物ではないんですけど。 で、方向性が違うわけだけど、アクションゲームに対してターン制のゲームの利点って何だろう?と考えてみるとですね。 ターン制バトルはじっくり考えることができる、戦術性の高いゲームを作る事ができるのが利点 だよなぁ……ってところまで考えて、思ったんです。 RPGのコマンド式バトル、戦術性の高いものって少なくな

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          ゲームデザイン力を飛躍的に向上させる「実用的な言語化」のやり方

          「言語化」って大事だよね、という話はよく聞くんですけどね。 言語化って大事だよなー!できるようになりたいなー! よーし、言語化できるようになるぞ!!  ↓ 何すれば良いの…… どうすれば良い言語化って言えるの…… って状態になったことのある人、いるんじゃないですかね? そしてなぁなぁの内に言語化の存在を忘れて……というのが、黄金パターンだと思ってます。 この「言語化」って言葉、すんごいフワッとした言葉なんですよ。まず明確な定義がありません。皮肉なことに「言語化」という言

          ゲームデザイン力を飛躍的に向上させる「実用的な言語化」のやり方

          ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識

          少し前に興味本位で、デバッグについてゲーム開発者向けにアンケートをとってみたんです。 はい。デバッグは勘でやっているよって人が大多数でした。数多のゲームは勘でチェックされている。 まぁ、プログラマなら業務上使いますし、資格の問題にも出るのでお勉強せざるを得ないと思うんですが……独学でプログラミングを勉強してゲーム作っている人とか、プランナー系統の人はあまり勉強する機会がないのかなーと思ってたりします。 ちょうど良さげなので、この記事では私が普段「まぁこれくらいは…基本だ

          ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識