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ウォロフ語文法:否定形


ウォロフ語の否定文は、①dafa活用の否定形と、②動詞に否定を表す接尾辞 -ulをつけるものの二種類がある。少々ややこしいが、ここで紹介する否定文は、これまで説明してきた現在形と過去形の文構造に、直接対応したかたちの否定形ではないことに注意していただきたい。例えば、la活用で示された文章の否定文を作ろうとした場合では、la活用の否定形という文構造は存在しないうえ、文脈によっては①dafa活用の否定形でも、②動詞の否定形で表現されるのである。

説明しだすときりがないので、ここではあくまで基本的な部分のみ説明する。
①dafa活用の否定形は、さらに完了と未完了での時間的違いによって、進行現在か未来か、習慣の否定かといった表現方法が分かれる。
②動詞の否定形は、主に完了形の否定文であるが、非常に汎用性が高く様々な文で登場するものである。


Dafa活用の否定形:du活用

  • Du活用は、基本的には現在の状況から見て動作や状態が否定されているため、進行現在の否定、未来の否定、習慣の否定を意味する。

  • また、Du活用のあとに名詞を置くことで「(名詞)ではない」という否定文にすることもできる。

    • 例:Duma dem ekool suba(ドゥマ デム エコール スバ):私は明日は学校に行かない

    • 例:Doo dem liggéey tey ?(ドー デム リゲイ テイ?):今日は仕事行かないの?

    • 例:Duñu wolof(ドゥニュ ウォロフ):私たちはウォロフではない

du活用


Dafay活用の否定形:duy活用

  • du活用に未完了標識 -yがついているものであり、習慣の否定を意味する。

    • 例:Dumay lekk maafe (ドゥマイ レック マフェ):私はマフェを食べません

    • 例:Dooy dem liggéey ci suba?(ドイ デム リゲイ チ スバ?)いつもは朝に仕事に行かないの?

duy活用


動詞の否定形:-ul活用

  • 動詞の否定形で、以下の表の通りの活用がある。基本的に完了形であり、現在完了や、過去の否定文を構成する。

    • 例:Lekkuma maafe (レックマ マフェ):私はマフェを食べませんでした

    • 例:Demuloo liggéey tey ?(デムロー リゲイ テイ?):今日は仕事に行かなかったの?

    • 例:Dëkkuñu Ndakkaaru leegi(デックニュ ンダカール レーギ):私たちはダカールにいま住んでいません。

  • また、状態動詞の否定形のみでも、「それは〜ではない」という否定文を作ることができる

    • 例:Neexul(ネーフル):おいしくない

    • 例:Tangul(タングル)暑くない/熱くない

-ul活用


単語表

dëkk:住む
lekk:食べる
maafe:セネガル料理のマフェ(マフェはフルベ語でソースを意味する)

(文責:池邉智基)

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