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セネガルで文献・資料を探す方法①:書籍


主にセネガルで人文系の研究を目的とした文献や資料を探す方法についてまとめます。ここでは資料の種類で大まかに分けて、①書籍、②論文や研究所の刊行物、③公文書、④宗教関連書籍と、順を追って説明していきます。

①書籍は、首都ダカールの書店と古本屋で購入することができます。まずは書店から紹介します。


1.Librairie aux 4 Vents
読み方はカトル・ヴァンです。ダカールで最も大きな書店のひとつで、プラトー店と、メルモーズ店があります。
個人的におすすめはプラトー店です。一階の左手奥には、政治、経済、歴史、文化、文学などにおおまかにジャンル分けされた書籍が置かれています。新刊の入荷も早く、棚の整理も定期的に行われているので、フィールドワークでセネガルに来たら何度も寄ってしまいます。


2.L'Harmattan Sénégal
フランスの出版社ラルマッタンのセネガル支店です。セネガルでの出版も行っており、毎月のように新しい本が出ています。
政治経済に関する本と、小説と詩の出版が多くを占めてしましたが、ここ最近では歴史や文化、社会に関する研究書も手広く扱うようになってきました。私はセネガルを訪れたら必ず寄って、新刊をチェックしています。

https://www.editions-harmattan.fr/index.asp?navig=catalogue&obj=collection&no=769


3.NEAS: Les Nouvelles Éditions Africains du Sénégal
プラトーにある出版社で、販売所も一応あります。
初代大統領のレオポルド・セダール・サンゴールが設立した出版社で、研究書や小説などの出版が多いです。1990年代頃までの出版は盛んでしたが、最近の刊行物はあまり多くないようです。ただ、レアな研究書が見つかることもあります。


4.Librarie Clairafrique
プラトーとダカール大学そばの二店舗あります。教会の書店のようで、キリスト教関連書籍が多く置かれていますが、法学、経営学などの教材や、社会科学、人文科学系の書籍も売られています。


5.古本屋
さて、こうした書店をまわって見つからない場合にはどうしたらいいのか。セネガルではAmazonがサービス展開しておらず、ネットで購入しようにもフランスから取り寄せるといった事態になります。そういうときに古本屋に寄ると案外見つかるものです。

といっても、セネガルの古本屋は店舗として存在していません。私がここで指しているのは、路上に無造作に本を並べていたり、簡素な棚で新聞や雑誌を売ったりしている商人たちのことです。無造作に並べられた本もせいぜい20〜30冊程度で、その中にお目当てのものが果たしてあるだろうかという様子です。
実は彼らはどこかに在庫を持っています。なので、こちらから「これこれこういう名前の本はあるか」と聞いてみるとどこかから探してきてくれます。とにかく商魂たくましいので、似たようなジャンルの本も持ってきてくれることもあります。それが微妙に目当てのものとズレていることもしばしばありますが、意外と悪くないチョイスだったりもします。古本市場じゃないと手に入らなさそうな商品も取り扱っており、とある開発プロジェクトの報告書冊子とか、90年代の農業マニュアルとか、書店じゃ絶対に手に入らない本が見つかることも多いです。
定期的に通っていると、こちらが買うことを見込んで仕入れてくれていることもあり、それがまた絶妙にちょうどいいチョイスの場合もあります。


(文責:池邉智基)


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