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問い:遠くへ行きたいか? 遠くってどこだ?

People Poweredから問いを立てる。

この本を読んだ人同士で意見交換をしたのですが、結局、行きたいとこなんてあるの? 遠くってどこ? というところに戻ってきました。

コミュニティ形成を始めるときには、まずなによりも実現できそうな見込みを示せなきゃならない。別にそのソフトは特によく書けてなくてもいい。雑で、バグだらけで、不完全で、ドキュメント皆無でもいい。でも絶対不可欠なのが、開発者候補たちに、それが目に見える将来にはなにか本当に使える代物に発展させられると説得できることだ。

https://cruel.org/freeware/cathedral.html

夢を見せること。大きなビジョンを描くこと。それができなくなっている。

昔の成功者たちの偉大な功績はいろいろと目にする。でも、昔はまだまだできないことがいっぱいあって、やりたいことがいっぱいあって、夢を描くのは簡単な時代だったんじゃないかと、思ってしまう。知らんけど。

今は、やりたいことが見つからない。なぜかって、やりたいことは既に先にやられているから。やり尽くされているから。何を考えたって既に着手した人がいて、うまくいかなかった失敗談がいっぱいあって、既に出来上がった商品があって、それらを眼前に突きつけられる。

視野が広すぎる。インターネットで世界が簡単に見えるようになって、簡単に世界一にアクセスできるようになってしまった。何も知らなければお山の大将を気取って夢を語ることができた。でも、幼いころからあらゆる分野の世界一を見せつけられて、どんな夢を描けというのだ。

結局、小さな小さなニッチの果てみたいなところで少量の砂金を拾い集めて喜ぶような夢しか描けない。それを、ゴールドラッシュの一攫千金を楽しんだ人に笑われながら、若いんだから大きな夢を描けよ、と言われる絶望を。

小さな裏山を大冒険して、もっと遠くへ行ってやるぞ、と夢を持てた少年時代は遠くかなたに過ぎ去り、家の中でストリートビューを見ながら世界旅行が無料でできる時代に、どんな遠くへ行けというのか。本当に、一握りの天才が地球を飛び出す勢いを見せる以外に、夢なんて、ない。

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