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004 日本をやり直す/選挙制度

 日本をやり直すために何から手を付けるかが分かれば、半分は解決したことになる。いろいろな人がいろいろなことを言っているが、まず、最初に手掛けるべきは選挙制度改革。そんな話は聞いたことがないし、誰も言っていない。言っているのは私だけ?しかし、よく考えてみれば、これがすべての基本。民主主義の根幹に関わっている。
 現在の選挙制度は1994年に改革された。それからほぼ30年が経過してる。その時目指したのは、政権交代を実現するための小選挙区制。しかしながら出来上がったのは妥協の産物としての小選挙区比例代表並立制。政権交代は一度実現したが、成功したとはだれも思っていない。
 日本は、重要な局面で選挙制度を巧みに変えてきた。1890年の自由民権運動を反映した第一回衆議院議員選挙。大正デモクラシーを反映した男子普通選挙制度。昭和に入って、軍部台頭による翼賛政治によって民主主義が破壊される。そして敗戦。1945年に完全普通選挙が実現する。選挙制度は1選挙区で3~5人を選出する中選挙区制が採用された。
 中選挙区制は、自民党の派閥政治を誘発したが、派閥間の切磋琢磨、離合集散によってダイナミックな政治状況が生まれた。そこに社会党も加わって、戦後日本復興の原動力となったことは否定できない。自由・平等・平和が常に議論される中で、大胆な経済政策が進められた。

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