Daniel Avati

フランスファン🇫🇷 Parisも田舎も好き。 旅で感じたこと、日常のこと。好きな音楽。 …

Daniel Avati

フランスファン🇫🇷 Parisも田舎も好き。 旅で感じたこと、日常のこと。好きな音楽。 詩、小説、エッセイ、画像で伝えたい。ヨーロッパ在住。

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風になる

通りすがりの人たちに叫びたい 僕の名前を教えてくれと 流れる雲をいつまでも追いかけていたい 君の名前を教えてくれと 朝焼けが教えてくれたもの それは知らない街の曲がり角で 誰かと出会った時に感じる旅ごころ 夕焼けが教えてくれたもの それは住み慣れた街でふと思う 動かない花が秘める、遠い人の美しさ 人は他人のために生きる、とまでは言わないけれど 人はきっと他人の中でしか生きることは出来ない きっと僕は忘れることはないだろう あの人たちの冷たさと温かさを 僕はやっぱり早春

    • あの日にさよなら

      チョコレートケーキ食べるかと尋ねたら 僕が食べるなら私も絶対食べる、と彼女は答えた 僕はどうすると尋ねられて 君が食べるなら僕もたぶん食べる、と僕は答えた きっと僕が探していたのは そんな会話だったんだ

      • ジプシーたちの夜曲

        ウソでいいから言ってくれ いつかまた朝日が昇ると 体の震えが止まらない 傷は癒えても 後悔と希望のかけらが混じり合って胸を締めつける 時は誰のために流れるのか、過ぎようとしている今日に問うてみても、美徳はいつの日も霧を投げてくる 置き去りにされた虚しさを いったいどこにぶつければいい 道端に叩きつけられて空を見ると初めて自由を感じた 空を飛ぶ鳥も籠の中の鳥も きっと自由の意味を知らぬ あぁ夜曲よ 深い夜の静寂に流れよ 星の数いるジプシーたちが 都会の片隅で耳を澄ます 朝焼け

        • ワタシは、パリで

          ワタシはパリにいるけれど ワタシは今、パリが好きなのかな セリーズは創作中の版画を眺めてそう呟いてみる カレンダーが2023年になってから取り掛かった作品 完成まであと少し 版画に向かっている時は、全てを忘れて無我夢中になれる 版画に向かえない日もある そんな日は、悲しくなる ワタシは何のために生きてるの? 去年は欲にまみれた男たちに何人も会った 会うたびに、心がふぅーっとため息をついた 欲にまみれた男たちは、みんな存在がちっぽけだった お金に目が眩む 女に目が眩む 言った

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        記事

          21歳のさよなら

          どうしていいかわからないことが 僕にはあまりに多すぎる どこに答えがあるのかが せめてわかっていたらと思うのだが どうすればいいのだろう もうどうでもいいような もうどうにもならないような 僕のやってきたことも 僕ってやつがどんな人間なのかも 彼女が一言で答えをくれたよ 強がって優しさくらい買えるけど いきがって勇気くらい買えるけど 苛立ちを売り飛ばせるのが 強さなのか弱さなのかわからない そんな21歳のさよなら

          21歳のさよなら

          早春の陽だまり、いつかこの日も思い出になる

          早春の陽だまり、いつかこの日も思い出になる

          早春、恋心、夕暮れ時

          早春、恋心、夕暮れ時

          次回のパリの宿題

          次回のパリの宿題

          セーヌ河、夕闇、ビラケム(BirHakeim)橋

          セーヌ河、夕闇、ビラケム(BirHakeim)橋

          パリで見つけた悪童詩人

          パリで見つけた悪童詩人

          素顔の頃に見た夢を

          君がもうすぐ僕の前からいなくなるって知った 雪の降り続く街で あの日僕は何を考えながら そして何を見つめながら とぼとぼと歩いていたのだろう 祭りの明けた朝 クリスマスツリーをしまう子供のような 忘れかけた人の夢を見た朝 抜けるような青空を見上げたくなるような あれから数えきれないほどやってきた春夏秋冬が 数えたくないほど過ぎて行ってしまううちに始まった仮面舞踏会 それは昨日も今日も そして明日もきっと続くのだろう 忘れたふりをしているのが仮面なのか 忘れてないって言い

          素顔の頃に見た夢を

          10日間飼い主に会わなかった猫は 10日間の後に飼い主に会ったときに 10日間の空白が寂しかったと 10日間本当は忘れていたのに 10日間の喜びも悲しみも嘘のように放り投げて 飼い主の懐に飛び込んだ そんな風に君は僕のところへ帰ってきた

          色の風に吹かれて

          トラムの始発が走る音がかすかに聞こえて また新しい一日が始まろうとしてる ベッドから起き上がると窓の外には 煉瓦色の屋根を薄っすら雪が覆っていて その白が朝焼けの中で少し朱に染まっているようにも見える ふと いつか出会っていつか別れた、あの子のほっぺの色を思い出す ある冬の日の朝のこと 抱きしめたあの子のほっぺを僕が見ていた時、彼女はどこを見ていたのだろう その答えを実は僕は知っていた その日からもう何も話せなくなった 愛されたいから傷つけたくないだけ それを優しさなどと、

          色の風に吹かれて

          +10

          雪の降る街を、2023年の冬

          雪の降る街を、2023年の冬

          +9

          誰かがそっと

          真っ白な空から 綿菓子みたいな雲のカケラが ヒラヒラ降ってきた 暖かい日が続いた冬 遅刻してきた誰かさんみたいに ゴメンなさいって ちょっと恥ずかしそうな笑顔で降る雪 久しぶりに会う君は 見たことのない新しい君 それでも 君というカセットテープを巻き戻したら やっぱり君はあの日のあの場所に帰っていく 昔、君も僕も好きだったあの歌を 思い出して眺める窓の外 雪がどんどん積もっていく 希望にも失望にも積もっていく いつか太陽に照らされるのが希望で 月夜に堕ちていくのが失望だな

          誰かがそっと

          自由とは

          26時に目が覚める 最終電車はもう行き過ぎて、ここは静かだ ここって、どこだったか、忘れそうになる ここは、僕の部屋 誰も来ないこの部屋から、愛する人を思う 月も星も見えない、明日も 夜の音って知ってる? ピアノの音を知ってるよね? ピアノを弾く音も聞こえてくるんだ それが夜の音 カツッ、カツッ、カ、カ、カ、 きっともうあの人は眠っている 僕にしか聞こえない音を、君だけに伝えることは、きっと出来ない それが僕の悲しみ、苦しみ キャンドルの炎が、ユラユラと揺れる もう一度眠ろ

          自由とは