写真の中にある私の物語-6
狛狐―伏見稲荷大社
話し声が聞こえた。内容は分からない。幻聴なのか誑かされたか。幾度となく訪れているが、その度に何か聞こえるし、彼らの表情も違う気がする。きっと違っているのは自分の心の方だと思う。良いときもあれば悪いときもある。
坂の途中―東京都
私が傾いているわけではない。坂道の途中に置いてあった椅子。誰が座るのか不思議だった。座ろうかと考えたが、人目を気にしてやめた。きっともうないと思う。或いは、代替わりをしているかも知れない。あの椅子に座ると、どんな景色が見えたのだろうか。
つづく
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