『夜のある町で』 荒川洋治 著
恐れ多いことを承知で言わせていただくと、荒川洋治氏は、高精度のセンサーを持っている。そのセンセーは、暮らしの中のありふれたこと、人と人とが交わす何気ない遣り取り、果ては物や誌面など、ありとあらゆるものをに反応する。時には盗み見するようにスナップショットする。写真を撮ることに例えてしまったのは、著書を読み進めていくうちに、写真家森山大道が想起されたから。森山大道自身、街中をぶらぶら歩き、あっと感じたものをスナップする。それをセンサーが感じて反応する、と言っていることを思い出し