DDTは譲らない

月曜日なので「週刊男色ディーノ」のお時間です。社会派の私がプロレス界で起こったニュースに対して、私の視点で語る感じです。

が。

今週はちょっと私的に避けては通れないことになったのでそちらについて語らせてもらいます。
今回のは気が向いたらじゃなく、伝えなきゃいけない、知って欲しいことという私の都合なので無料です。明日以降の心の動きは有料にしますが。

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昨日、後楽園ホール大会がありました。
自分の試合に関しては、後楽園ホールでアスホールがわさびホールになってしまった、としか言えない事態に。結果、大石さんを近々屠らねばならないところまで来てしまった感がありますね。ヒリヒリと傷口にしみて眠れなかったよ。

で、その後KO-D無差別級選手権が行われました。
<王者>上野勇希 vs 納谷幸男<挑戦者>

いい試合だったよね。死闘だったよね。
私は大会終了後にサイン会があったのでロビーに近い南側で見てました。
そしたら、試合後に勝ったチャンピオン上野が
「2.14新宿FACEでの男色ディーノとの試合をタイトルマッチにしろ」
的なことを言って。
細かいニュアンスは違うかもしれないんだけど、そういう趣旨のことをマイクで言ったわけです。
目の前がはじけた。脳内が、かな。

頭ではわかっている。
ちょっと前にも記事で書いたのだけれど、プロレスを背負う人間は出来れば若い方がいい。
プロレスを背負う人が他の競技を背負う人と並んだ場合、若ければ若いほどそのジャンルの未来を感じさせるからだ。
40代後半のおっさんがプロレスの代名詞では、知らない人からするとジャンルの未来が見えない。
DDTでも同じ。
20代の選手がトップでないと、共感してあこがれる若い層が入ってこない。

わかってるんだ。

大きな視点で見た場合は、それが正しい。戦略的にも。

でも。

やっぱり、現場では違くて。
46歳の私はまだ生きてて、ここにいる。
会場にいない人の方が世の中には多くて、やってることをその人たちに届けなきゃいけないのは充分に分かっている。
DDTがトレンドに固執しているそういう理由も頭ではわかってはいる。

でも。

私は会場で息をしている。リング上で生きている。
そこに、若いも老いも関係ない。
その瞬間、生きているのは20歳だろうが50歳だろうが100歳だろうが同じだ。
リングに上がれば、人は何かを思う。
生きてたってそうなんだ。リングで何も思わない訳はない。
その思いに年齢は関係ない。
あのベルトが欲しい。
王者、上野の口から私の名前が出たその瞬間、何かがはじけた。

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ところで、なぜ私は「DDTのアイコン」だと呼ばれてしまったのだろうか。
自称していた時期も、わずかながらにある。
その時は、DDTのアイコンになりたかった。
なりたかったから自分で名乗り出した。
そしたら、いつの間にかアイコンという事になっていた。
まだアイコンだと自分では心の底では認めていないのに。
私なんかより強い奴はいくらでもいる。
私なんかより面白い奴はいくらでもいる。
なぜだろうか。本気でわからない。
ひとつ思い当たる事があるとすれば。
私はキャリアのほぼすべてを「DDTの会場でないと味わえないもの」に費やしてきた。
より強いでもなく。
よりカッコいいでもなく。
なんならより面白いでもなく。
言葉遊びっぽくなるけど、よりDDTであること。
それは、人生を見ることができる場所。
強い場合もあるし、カッコいい場合もあるし、面白い場合もある。
DDTとは「ドラマティック・ドリーム・チーム」の略。
それは何よりも強く、何よりもカッコよく、何よりも面白い。
私は、このリングがDDTであることにこだわってきた。
これが唯一と言っていい、自分で認めてもいい箇所。
自分にはそれがあると知っているから、私は「DDTのアイコン」を名乗れていた。分不相応だとわかってながら。


偶然にも、王者上野が言う「一番おもろいやつ」も同じ事だと私は理解している。
だとしたら。
私は勝つことができる。

正直に言う。
ここ最近の上野は、めちゃくちゃ成長している。
ここで言う成長とは人間として。
レスラーとしては、もうすでに私を追い越している。

だからと言って今ここで引き下がれない。
これ以上は戦い方がバレるから具体的な言葉にはできないが、今の私にしかできないことをやれば勝てる。
昔とか、過去とか関係ない。
DDTのアイコンだなんだも知ったことではない。
なんなら、DDTで一番面白い奴でなくていい。
今年で47歳になる私が、ベルトを獲る。
私がそうしたいからそうする。
外からどう見られるかなんて関係ない。
DDTにとって希望のない結果になるかもしれない。
「同年代に希望を」とか「昔から見てきた人に向けて」とか、そんな綺麗な事も言えない。
私が。
もう、たまらなく欲しくなってるんだ。
何のために欲しいのか、自分でもわかってない。
でも今。
目の前にKO-Dのベルトがある。
なぜだろう。どんな感情なんだろう。欲しい。
今、欲しい。
世の中には新型コロナがあって、分断があって、誹謗中傷があって、災害があって。
人間関係があって、お金の問題があって、将来のこと考えることもあって。
不安なこと理不尽なことがいっぱいある。
そんなこんな全部ひっくるめて、ベルトが欲しい。
意味わかんないかもしれないけど、そうなんだからしょうがない。
理由はこれから考える。
獲った後の大義名分は、これから2週間かけて考える。

だから。今回ばかりは力を貸してほしい。
獲った後で返すから。
タイトルマッチである2.14新宿FACEは「37カミーナ」の大会。
今のところアウェーはほぼ確定してる。
一方、私は1%でも勝率を上げたい。
ほぼ「上野」という声の中、「ディーノ」の声。
まず、これがないと勝てない。
プロレスラーが辛い局面で立ち上がれるのは、応援してくれる人が声を出してくれるから。
これは本当にそう。
だから、まずアウェーを覆さなきゃいけない。
いつもは無理しないでってスタンスだけど。
今回は力を貸してください。
アホな計算をしますね。
1人会場に来て声を出してくれれば、勝つ確率が1%上がります。
なので、100人来て声出してくれれば100%私が勝ちます。
だから、今回は会場に来てください。
DDT経由でも、プレイガイド経由でもいい。
なんなら、私からでもいい。
DMでもメールでも何でもいいから来てください。

最後に。
本当はベルト獲った時に言おうと思っていたけど。

私こそがDDTだ。
DDTは譲らない。

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