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雨と音符

魚眼レンズたちが散らばる電車の窓
風に耐えきれずに流れる透明
水玉模様なんて言うには
ずっとずっと悲しげで
たくさんの粒たちは
孤独を引き連れていく

見知った町並み
コンクリートの湿り気を帯びた匂い
傘を打つ水の妖精
手を差し出せば
躊躇いもなく握ってくれる
繋がれたわたしたちの手のひら
冷たくて温かくて優しい
わたしの弱さを抱きしめてくれた
だからわたしは空を見上げて
泣く空の楽譜に音符を乗せた
そしたら空は大粒の涙を溢し
詩を詠った

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