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Nostrasia、あるいは自由への進撃

おはこんばんにちは、れんちょんです。

11月1~3日にかけて、都内某所で開催された分散型SNSプロトコル・Nostrの国際アンカンファレンスに参加していました。「Nostr Freedom Conference Tokyo」が正式名称らしいです。


都内某所に出現した謎のダチョウ JKがキモって言いながら通り過ぎてた


Nostrのマスコットがダチョウである理由については上記を参照。Nostrやってる人をNostrichと呼びます。Twitterやってる人をツイッタラーと呼んでたのと同じノリです。

ぼく自身は、今年の2/1にDamusでNostrを始めました。そもそもNostrとは何かというと、Notes and Other Stuff Transmitted by Relaysの略です。天才の人はこれでだいたい理解できると思うので、みんな天才になってください。

まあググったり、瞑想して悟ったり、GPTのブラウジングでいろいろ調べてみたらわかるのですが、Scrapboxがかなりまとまっているのでオススメです。ぼく自身はScrapboxアンチなのですが、それでもここで紹介するほどScrapboxのNostr記事はまとまっていると思うのでオススメしました。


実のところ、Nostrasiaの数日前に来日している海外Nostrichたちと会食する機会があり、Damusの創始者Willをはじめいろいろな方と面識ができたので、まあまあ余裕を持ってNostrasiaへ向かいます。ちなみに参加者の8割近くが海外の人です。

1日目は、多くのNostrichとエンカし、気になるセッションを聴いたりしていました。ぼく自身は最近インドで得度(出家)したので、仏教の話できるNostrichがいれば話したいなあと思い会場を歩いていましたが、いました。

そう、ジャック・ドーシーです。

TwitterやSquareを創業したり、インスタで元カノにEDってdisられたりするおじさんです。

禅や瞑想に造詣が深く、自身もヴィパッサナー瞑想の修行をしたり、寺院や庭園を巡ったり、侘寂を体現しているとの理由でビルケンシュトックの茶色いサンダルを愛用している系のおじさんです。

禅や縁起の話をしましたが、自分だけの思い出にしておきたいのであまり多くは語りません。曰く、Everything is connected、すべては繋がっているらしいです。いい言葉ですね(?)

ハゲコンビ

まじめな話はほかの人が書いてくれるので、書きません!


Nostrといえば、もちろん

日本酒ですね #sakestr ←Damus創始者のWillが最初に始めたタグ

天皇陛下に献上するやつらしいです


言い忘れましたが、Nostrasiaは会場費、食事代、酒代、ありとあらゆる費用はジャック・ドーシーが奢ってくれてるので、タダです。

おかしいですよね、太っ腹すぎる…!(ETH Global TokyoでdepositしたETHは結局行けなかったので喪った顔)

ジャック様に感謝しながら、みんなと交流します。


戒律あるけど、特別な時なので飲酒


ユニオン・ジャック、ジャック・ドーシーに感謝を込めたカクテル


テクノスカレッジさんがボランティアでいろいろやってくれました、感謝

みんなで寿司や日本酒を味わいながら、談笑していると


マグロマグロマグロ


マグロがやってきました。マグロ解体ショーが始まるそうです。

ちなみに、アジェンダに一切書いてなかったので日本人は誰も知りませんでした。

"Freedom" Conferenceなので、自由です。SNSだけでなく、マグロも分散させる時代です。

固くて切りにくいらしい みんなでがんばれー!って応援しました
マグロ!
🍣

解体したてのマグロを食べた人たちがNostrで「チーズみたいにとろけるめちゃ美味い」と投稿しているのを見て、流石に盛りすぎwそんなに味変わるわけないやろwと思ってましたが、いざ食べてみるとその通りでした。めちゃ美味い!解体したてってだけでこんなに変わるんですね。ちなみに一度も冷凍してないマグロらしいです。

9皿食べました。

Nostrといえば、カラオケですね。

SAOアリシゼーション編は神

みんなでカラオケ大会が始まりました。1000人入る会場でマグロを解体してカラオケをする謎の集団みたいでした。まあその通りなんですが。

Unlastingを歌った海外NostrichとSAOと進撃の巨人の話をしました。彼は"理解"ってるようで、進撃の巨人最終話も日本でリアタイするようでした。Nostrをやっている人は素晴らしい人が多いですね。

2日目。本日の目玉のひとつはエドワード・スノーデンとジャック・ドーシーの対談です。エドワードは、元々CIAで働いていて諸事情で国際指名手配されてロシアに亡命しています。国外へ出るとワンチャン暗殺されるので、オンライン登壇です。

オンライン勢への配慮。やさしいですね

開始早々、エドワードはスリッパを履いているけどズボンを履いていないということを話し始めました。ジャックは裸足で登壇したので対照的ですね。

青背景

エドワードは、長い間国際指名手配されて監視されている身で話せる友達が少ないからか、かなり話が長かったです。本音を語ることができて嬉しかったのでしょう。全校集会の時の校長先生みを感じました。

一貫して「自由」について語るセッションでした。ジャック自身がTwitterの単一障害点はじぶん自身だったと話し始め、プロトコルと資本主義の因縁や、ソーシャルメディアの諸問題などの思想的な話、BitcoinやNostrに共通するアーキテクチャ設計にまで及びました。メールでもマイクロブログでもないTwitterというメディアを実装したジャック、国家を敵に回してまで人々の自由を求めたエドワードが語るNostrを軸とした民主主義や検閲、「自由」の話はほかの誰よりも説得力があり、素晴らしいものでした。身銭を切って「自由」のために戦う姿は、ぼくの大好きな作品、進撃の巨人に通ずるものがあります。BitcoinはInternet of money、パーミッションレスにアクセス出来る検閲耐性に優れたOSSですが、Nostrも言論という面においてそのような役割を担うことができます。彼らの対談は、とても心がワクワクする素晴らしい時間でした。ぼく自身は最近はブロックチェーンの技術的な問題にそこまで興味がなく、技術統治や思想のレイヤーに重きを置いていますが、ぼくの興味関心にドンピシャすぎて本当に最高の時間でした。

質疑応答の時間で、公開鍵/秘密鍵のアダプション問題などのEthereum界隈でも死ぬほどやり玉にあがる質問も投げかけられたりしましたが、エドワードの返答が、以前より丸くなったなあと感じたのが印象的でした。Bitcoinの秘密鍵を自己管理してても、いきなり自分が死んだら残された家族にどうやって伝えるねん的なアレです。やはり、彼も家族ができたことが原因な気がします。毎晩、子どもさんに国富論を読み聞かせているらしいです。共同体の問題を考えるうえで、家族について考えないわけにはいきません。あらゆる共同体の最小単位は家族なのですから。まあとりあえずYouTube見ましょう。その辺のよくわからんインフルエンサーの動画よりは面白いと思います、って書こうとしたけど、正直検閲耐性とか自由とかインターネットの未来に興味がある人生より、TikTokで女子高生が踊る動画見て喜ぶ人生のほうが幸せになれると思います。ちなみにぼくは今日はTikTokで女子高生が踊る動画は2時間くらい見ました。幸せです。

結論:どっちも見ましょう。



Nostrは希望

2日目も、お酒はバッチェ冷えてますよ~

黒ラベルまあまあ好き
桜翔

あとはNostrをBitcoinのLayer3とみなすのが面白かったです。なんのこっちゃ、という人もいるかもしれませんが、要するにPayment Stackの観点から、Nostrの「アカウント」自体を一種のDIDのように扱い、LNを用いて複数人に同時にsatoshiを送金したりする、という文脈です。興味がある人は見てください。

かっこいい


忘れちゃいけないNostr日本人コミュニティ。Nostrの日本人コミュニティに興味がある人は見ましょう。

忘れちゃいけないBitcoin日本人コミュニティ。
Bitcoinの日本人コミュニティに興味がある人は見ましょう。


3日目。

セッションやワークショップを見ながらのんびりしました。

お昼はビットコイナーの人たちとクレープを食べに行きました。秋らしく紫芋のクレープを食べました。美味しかったです。


修学旅行の中学生か?

ここまで書いて、ぼくだけの局所的な感想だとバイアスが生じそうなのでほかの人の記事を勝手に張ることにしました。




https://habla.news/a/naddr1qqxnzd3e8ycnjdekxyenvdp3qgsz6kmyqn04xt0qstv7wlmlgft6daplk7dmnh5d6wk8ma0x6j6spvqrqsqqqa288nfxl9


本当に「自由」で心温まるアンカンファレンスでした。ぼく自身は10月はほとんど日本にいなかったこともあり、今回は時々翻訳や雑用を手伝った程度でしたが、元来興味あることのひとつに"大規模な公共の議論へのアクセスおよび貢献"があります。幼稚園の時から(保育園じゃないアピール)うっすら言論や統治について興味がありましたが、自分のあずかり知らぬところで、テクノロジーにおいてもそのような問題に取り組むことの重要性は高まっている一方です。Nostrにおいても、いつかそのような課題に貢献できたら、それはとっても嬉しいなって。


ちなみに、幼稚園児の時に七夕の短冊に「○○○ちゃんと結婚できますように」って書いてたら先生に書き直しを強制されたのが検閲耐性の必要性に芽生えたきっかけです。あの時の先生がいなかったら、今頃違う人生を歩んでいたのかもしれません。山下先生、ありがとう。


「自由」は儲からないかもしれません。「協調性」はもしかしたら社会を構成するうえで「みんな」に強制するべき不可欠な要素なのかもしれません。

だけど、相も変わらず感染症や戦争に苦しむ時代、まばゆいAIの進化、異常気象に見舞われるこの時代において、東京の片隅で世界各国の人々が同じ想いを胸にして、自由、"freedom"を掲げて語らいあった、ニュースにも載らないくらい小さなこの3日間のことは、一生忘れることはないでしょう。

このエッセイを、Nostrasia開催費用を奢ってくれたジャック・ドーシー並びにすべてのNostrichに捧ぐ。

俺たち全員、頂き女子。(ジャックから頂いたので)



あ、Nostrの設計思想や技術面に興味ある人はこのスライドがオススメなので見てくれたら



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