見出し画像

週報9月③


リッピングしたもの

Vinyl

  • Udo Lindenberg - Lindenberg(1971)

ウド・リンデンベルクはNiagara、Passport(前身のDoldinger's Motherhoodから)、Emergencyなどのドラマーを経て、(ドメスティックな)ロックシンガーとして大成した人物。クラウトロック時代の人物の中でもドイツ国内での知名度が一番高い人と言えそうです(たぶん)。この『Lindenberg』は英語で歌われた初ソロアルバムで、商業的には失敗に終わる。ドイツ語で歌った2nd『Daumen im Wind』(1972)収録の"Hoch im Norden"がヒットし(本格的なヒットは1年後)、それがその後の活動を決定付けてそうな感じがあります。2ndがかなり名盤なんですが、この1stも良いです。ロック歌ものの中に8分超のプログレッシブ曲が出てくる。方向性を決めあぐねてるからこその良さあり。ちなみにCD版にはシングル曲が入っていて1曲多い。

  • Revelation - Book of Revelation(1979)

全員ロンドン出身のUKレゲエ・グループ。AOR的なしっとりしたサウンドと美しいハーモニーと。そんな甘ったるい感じでもなくルーツロックとラヴァーズロックのいいとこ取りサウンドと言われる。

  • tickles - sailed(2015)

神奈川・藤沢のA.B.E.Recordsから、湘南のダウンテンポ・アンビエントプロジェクトticklesは鎌田裕樹のプロジェクト。2曲入りEP。どこか琴線に訴えかけるかのようなギターが入っている、往年のエレクトロニカを思い出させる"sailed"が良い。

GAME

  • ジム・クオモ(1945-2018)

サクソフォニスト/マルチ奏者/作曲家のJim CuomoことJames 'August' Cuomoは、60年代の音楽ファンやサイケデリックロックファンにはSpoils of Warの中心人物として知られる。このバンドではThe United States Of America、Fifty Foot Hose、初期Red Krayolaのようにミュージック・コンクレートやジャズをサイケデリック・ロックに持ち込んだとされる(DiscogsのSpoils of Warの来歴より)。その他にもアシッドフォーク・バンドMormosやMarianne Faithfullの『Broken English』(1979)への参加など、ちょろっとでは説明しきれないぐらい色々な活動をしているのですが、1980年代にはコンピューターゲームの作曲もしています。

Moby Gamesによれば、最初にMSXの闘牛ゲーム?『Ole!』(1985)、その後Amigaのストラテジーゲーム『Defender of the Crown』(1986)のBGMを担当。このゲームは様々なプラットフォームに移植された人気作のようで、MS-DOS、Commodore 64、マッキントッシュ、Atari STなどに移植され、海外ではNES(ファミコン)版も出ている。リメイクや続編も。


あと気になるのはAtari ST用ADV『Astate: La Malédiction des Templiers』ですかね。BGMと絵が相まっていい雰囲気。

Q.D.K. Media(Shadoks Musicなどを持つ独Normal Recordsのサブレーベル)からCuomo名義で出ていた『ejazz』(2003)は1969-2001年の電子音楽作品をセレクトしたコンピレーション。ミュージック・コンクレートに初期電子音楽作品みたいなもの、サクソフォンやクラリネットとコンピューターミュージックの共演なんかもあります。割と安価で転がってそうなので聴いてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?