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アスリートがどのように、問題を切りわけ、精神を落ち着かされているかの具体的な手法

長文ファンの皆様おはようございます。

昨日友人と大谷選手の話になったので、彼が心理的に大変な状況でなぜあれほど活躍できているのかをスポーツの世界の理論で説明してみます。とは言っても、それ世界レベルで実行しているのは、想像もできないほど難しいはずですが。

メンタルが強いと良く言いますが、具体的には「自力では解決できない問題を箱に入れておける力」だと考えられます。そのためには分割と、一旦置いておく、ことが必要になります。まずよく知られているストア派の哲学から引用します。

「コントロールできないことではなく、コントロールできることに注意を向けよ」

世の中にはコントロールできないこととできることが存在するとストア派は考えます。他人、過去、天気はコントロールできないし、自分が病になることや、寿命もコントロールはできない。

コントロールできないことについていくら考えても、結果はコントロール不可能なので、意味がありません。

リソースは有限です。どうにもならないことに注意を向け、考え悩むことはリソースを無駄に使うことになります。まず物事を切り分け、整理し、コントロールし得ることのみにリソースを投下する。

一方で、いくらそうしても人間ですから、思い出したり、それについて悩むことのあります。悩むというプロセスは段階があります。まず①注意が向い、②想像が膨らみ、③情動が生まれます。この一連が「悩み」だと私は理解しています。

悩む人は、ふとしたきっかけ①にに思い出して、そのことで頭がいっぱい②になり、怒りや恨みや悲しみなど辛い感情③が浮き上がってくることで苦しんでいます。

このプロセスは①がなければ作動しません。①を発生させないために、コントロールできないものを頭の中で意識的に箱に入れて蓋をしまいます。そして、ここが大事なのですが、解決したり忘却するのではなく「一旦閉まっておく」ことにします。

なぜなら根本的解決や、完全忘却は不可能なので、それを達成しようとするなら、結局悩みにとらわれることになるからです。

お気づきの方も多いと思いますが、これは根本的な解決ではありません。一旦やり過ごす手法です。

また、これを人生のあまりに早い段階でやらざるを得なかった場合は、自分でも気づかなくなっている箱が人生を苦しめてくることもあると思います。ですから万能の方法ではありません。

しかし、人間はそれを悩むことで、悩む癖ができ、悩みが強化される生き物であることも真実です。一旦閉まった箱の中身は、時間が経つと小さくなっていたり、情動が動かされなくなっていたりするものです。

全ての問題を解決するには人生は短すぎて、人間は小さすぎること。私たちが振り回されているのは、事実そのものではなく、そこから発生する情動だということ。これらを理解し、対処する方法をグラウンドでは教わります。

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