見出し画像

財務省の方々へ。そろそろ国民にお金を配ってはいかがでしょうか。

富の再分配。
これは政治の中で、とても重要な観点です。

どうやって公平に富を分け与えるか。
お金持ちからお金を受け取り貧しい人に分ける。
これは政治の極めて重要で基本的な役割です。
ところが、それが難しい。
例えば、日本を豊かにする手段を考えましょう。

日本を豊かにする=外国企業の仕事を減らす。
だから外国資本のサービスの対抗馬を日本で増やす。
GAFAMにまつわる様々なコンテンツを日本でも行う。
Youtubeではなくニコニコ動画。
Amazonではなく楽天。
ツイッターでなく……なんだろう?
とにかく、対抗馬となりうる企業に政府が融資するのです。
そうすれば国内でサービスが盛んとなります。
国内企業が潤えば国民も豊かになる。
どうでしょうか。

おそらく、この考えには問題があります。
ドワンゴも楽天も個人の企業。
その個人の企業に国がお金を出していいものか。
そういった批判が必ず生まれます
(正直、正体不明団体に補助金を出すよりずっとマシだけど)。

このように、富の再分配を公平に行うのは難しいのです。

……本当に難しい?
簡単じゃないか。
国内にお金を配りまくればいい。
年金など社会保障の収入も含めて月〇〇万円以下の人は除外する。
現在はマイナンバーで国民と口座は紐付けができている状況。
ものすごく簡単に富の再分配ができるはずです。

MMTでいうところのベーシックインカムです。

なぜ、こんな簡単なことを政府は行わないのでしょうか。
それは財務省がセンメルヴェイス反射を続けているからです。

……

前回は、日本が貧しくなっている理由を僕なりに説明しました。

要するに、世界中で各国がお金を増やして自国民に分け与えている。
しかし、日本政府は何もしていない。
しかもそれがバブル崩壊から30年も続いている。
だから日本だけがどんどん貧しくなっている。
このようにまとめました。

では、なぜ日本政府は何もしないのでしょうか。
それは財務省のあり方そのものにあると考えます。

2023年『ザイム真理教』(森永卓郎 著)。
財務省は文字通り財務を扱う国家の中心的役割を持ちます。
その財務省批判として『ザイム真理教』は発刊。
ベストセラーとなりました
(まだ読んでないけど)。

財務省全体の考え方は「国家財政=税金」。
この考え方が国民にまで浸透している。
それが原因で日本は停滞してしまっている。
僕はこの考え方に賛成です
(まだ読んでないけど)。

日本の貨幣は日本政府が自由に発行できるもの。
金と必ず交換できる、と保証されていません。
保証のないものをどうして"財源"になんてできるのか。
その矛盾を財務省はずっと放置したまま。
日本を1970年から停滞させたまま。
そんな愚かな考え方を変えないから日本は貧しいままなのです。

では、どうしてその考え方を変えないのでしょうか?
財務省の官僚は無能なのでしょうか。

多分、無能なのではありません。
そこにはセンメルヴェイス反射があるのではないでしょうか。

センメルヴェイスは19世紀の医者です。
手術前には消毒をする。
今ではあまりに当然なことを初めて言った人です。
彼の統計を加えた正しい論文。
それは当時の医学会にまったく認められませんでした。
それどころか、大批判を巻き起こしたのです。
センメルヴェイスが心を病むほどに。

なぜそこまで集中的に彼を攻撃したのでしょう。
それは、当時の医者達が罪の意識に耐えられなかったからです。
お産に立ち会った当時の医者達。
彼らは自分の行為に疑いを持っていません。
結果としてたくさんの妊婦の方々は命を失いました。
しかし、もしセンメルヴェイスの論を認めてしまったら……
彼らはやるべきことをしないで妊婦を殺したことになってしまうのです。

そんなことを認める訳に絶対にいかない。
罪悪感とプライド。
その二つが正しさよりも自己保身に向かった
のです。

その反射。
センメルヴェイス反射が財務省内でも発生している。
そう僕は考えています。

税金は財源ではない。
それを認めたら自分たちのやったことが否定される。
日本の失われた30年を作った罪をかぶらなくてはいけない。
その心情的背景が、ますます拒否感でもって固定化される。
日本国全体が貧しくなっても仕方ない。
重税を続け、国民から富を吸収し続ける。
官僚の方々は確かに非常に優秀です。
しかし賢いからこそ、引くには引けない部分もお持ちなのではないか。
そう僕は考えています。

しかも、この考え方には財務省を完全否定する結論があります。
財務省にとってもっともやばい結論です。
富の公平な再分配という最も厄介な任務。
それが簡単に解決してしまうのです。

だって、国民の収入を見てお金を振り込む。
こんな簡単なことに財務省なんてシステムがいらないからです。

問題を複雑にして自分たちの役割を捨てない。
自己解体の恐れを無意識に感じ取っている。
だから財務省はかたくなに"税金=財源"の手法を取っている。

日本の将来を本気で考えていらっしゃる。
そんな真面目な官僚の方にはぜひ考えを改めていただきたい。
妊婦の命を奪った罪を認めこれからの人々を救う。
正しい知見を受け入れ正しく人の命を救った当時の数少ない医者。
でも、その誠実な医者達と同じように官僚の方々も考えを改めてほしい。

僕はそう考えています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?