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*この話はフィクションです。〜円安、物価高の背景〜

ある国をA国とする。

A国は資源が豊かで国も大きい。
初めの頃は戦争に不参加を決めていた。
しかし、世界の情勢がそれを許さなかった。
A国は戦争することにした。
結果、A国は勝利した。

A国は歓喜に沸いた。
自分たちの戦いは正しかった。
敵国の市民を圧政から解放した。
戦争は国から給料がたくさん出ていた。
武器を作れば、その企業が儲かる。
国民は豊かになり自信もついた。
作られた武器による敵国市民の虐殺があったのは気にしない。

良い戦争。
A国はそう思った。
戦うことで、国は豊かになる。
そう信じた。

A国の友好国が別の場所で戦争を始めた。
A国は喜んで参戦した。
良い戦争がまた起きると信じたからだ。
その後、友好国は手を引いた。
それでもA国は戦争をやめない。
良い戦争になると信じたからだ。
しかし、しかしである。
そうはならなかった。
勝てる見込みのあった戦争は勝てなかった。
そればかりか、参加した兵士は心に傷を負った。
国民はA国の政策を非難した。

A国はその時理解した。
戦争は良くない。
ではない。
自分で戦争するのは良くない。
である。
戦争すれば、国が豊かになるのは目に見えている。

どうするか。
火種を作ればいい。
国と国が緊張しあっている場所に、火種を作ればいい。
あとは紛争が続けばいい。
武器をたくさん作って売る。
流通の止まった資源を高く売る。
どんどん争っている国に無償で援助する。

無償で?
そんなことが可能なのか。
可能である。
債券をたくさん刷ってそれで武器を作り支援すればいい。
国債の利回りを高くしておけば売られる心配はない。

国債は便利だ。
なぜなら無限に発行できる。
利回りを高く設定すれば売られる心配はない。
財政破綻などあるはずがない。
なぜなら、財政破綻はその国債に価値がなくなった時だけ。
しかし、その国債を買ったのは誰か。
国債を将来、売る人間である。
国債は、購入した人間が価値を認めなければいけない。
国債の価値がなくなることを恐れる人間。
それは国債を買った人間と等しい。
買うことによって支えられるのが国債の価値である。

結果、A国の貨幣は増える。
それに合わせて、物価は上がる。
債務残高は増えるが、財政破綻の心配はない。
なぜなら、金利が高いのだから誰も売ろうとしない。
同じ政策を取らない国はどんどん貨幣の価値は下がる。
なぜなら、金利が高いのだから誰もが欲しがる。

こうしてA国は自国だけを豊かにすることに成功しているのである。

*この話はフィクションです。

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