今自分がいる世界

ついこの間、大きな気付きがあった。

俺は東京で仕事中心の生活を送っていて、自分の見るもの、聞くもの、感じるもの、その殆どがビジネスに紐づいていた。この話は儲かるのか、この人は仕事ができるのか、どんなメリットがあるか。極端に言えば、ビジネスというフィルターを通して、この世界を見ていた。この辺りの事は自伝エッセイを書いてるので、よろしければご一読を。

現在、北海道。
北海道に来て数年が経って、俺はビジネスというものに関心が無くなった。新しいビジネスを始めようとか、何とかしようとか、そういう気持ちが全く湧いてこない。俺には借金もあるし、お金が必要な事は理解してるけど、どうしてもやる気が起きない。女の子の日のように、もうどうしようもない。なんか20歳くらいの時にも、同じこと言ってた気がする。

現在、昼は事務系の仕事をして、夕方の数時間、少し体を動かすような仕事をしている。昼の仕事はめっちゃ楽だし、夕方の仕事は運動にちょうどいい。これが今俺が生きてる世界。

で、これからとても失礼な事をぶちまけます。正直な気持ちなので、悪気はないです。不快にさせたらごめんなさい。

今の仕事はとても単純で、いわゆる社会の末端の仕事だ。簡単なPC操作と電話対応ができれば、誰でもできると思う。だからこそ、この職場には様々な人達が集まっている。

単純な仕事でもうまくできない人がいる。何度言っても理解できない人がいる。入社2日目で出勤しない人がいる。仕事をせず、人の悪口ばかり言ってる人がいる。仕事ができない人のマウントを取り、偉ぶっている人がいる。自信が無くて、いつも怯えている人がいる。トラウマを抱えて、人間不信になっている人がいる。社会生活に支障がありそうな人がいる。なんでも人に押し付ける人がいる。

そこには色んな人間模様があって、めちゃくちゃリアルな世界だ。これまで、自分の周りにこんな人達はいただろうか?・・・いたな。こんな人達いたわ。
でも、当時俺はビジネスマインドだったから、そんなの気にせず、その人が仕事ができるのか/できないのか、利益をもたらすのか、そこしか見ていなかった。こいつダメだと思ったら切り捨てていた。でも、今の俺には、かつてのようなビジネスマインドは無い。はじめて彼らと同じ立場で、人として向き合うことになった。

はじめは、この環境を楽しめていた。けれど、次第に違和感が大きくなり、俺はここで何をやってるんだろ、この時間は全く無駄じゃないか、そんな虚無感みたいなものに苛まれてきた。だったら、こんなレベルの低い仕事なんて辞めればいい。そう思うけど、特に今自分にやりたい仕事など無い。
そんなどうしようもないドツボにはまり、いつしか適当に仕事をしたり、相手へのリスペクトを忘れたり、色々な問題が表面化してきた。はじめは仲が良いけど、そのうち関係が悪くなる。人との関係が次第に難しくなってくる。

そんな時、ある人が気付きをくれた。

「今、貴方は新しい体験をしてるんだよ」

新しい体験・・・?
俺はこれまで、ビジネスという限定された世界で生きてきた。でも、今は実社会という、もっと広い、色々な人がいる世界を体験しているのだ。だから、違和感やひずみが生じるのは当然の事だ。

「新しい体験」という言葉がしっくりきて納得ができた。確かにその通りだと思う。

俺はずっとこの世界には居れないし、これから、やりがいを感じられる世界に行きたいと思っている。そこは絶対に諦めたくない。でも、今はこの世界に足を付けて学んでいく時期なんだと思う。今目の前に起きていることは学びの一つであり、奢らずに、謙虚になって、今はここで色んな経験を積ませてもらおうと思う。

なんだか少し、モヤモヤが晴れてきた気がする。
気付きを与えてくれた出会いに感謝!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?