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世間の「営み」から外れるというのは、

今日はそろそろnoteを書きたいな、など、思ってはいるのだけれど、いざこうした時間になってみるとそれなりにやるべきことの大小を見つけてしまい結局エディタを開くまでにたどり着かずに終える日々を過ごしています。
そう、8月に19年勤めた飲食の仕事を終え、今は次の仕事のための準備期間中。…といえば聞こえはいいのだけれど、平たくいえば今ほぼ無職なんですね。
大学を出て20年以上ずっとまともに働いてきたから、もう無職3ヶ月目に入った今でもこの日々がなんだか嘘のようで、完全無職ではないのでそれなりにPCの前で時間を過ごしてはいてもどこか、ふわっとした、現実ではないような(それもちょっと心配)、なんとなく残高など気にしつつ、でも欲しいものは買い、食べたいものは食べ、寝たい時に寝るというとぜいたく気ままな暮らしのように聞こえるかもしれないけれども、内心はそんなに穏やかではありません。

ここから先に書くことはすべてぼく自身が感じたことであって、世間一般のことでも常識でもだれかを責めようでもなんでもありませんので、無職が悪いなんてひと言も言っていませんので、わかってくれる人ばかりなのは知っているけれど念のため、書き添えておきますね。

これまで経験がなかったから、なんだか面白いなぁと(そしてちょっと怖いな、とも)思っているのだけれど、「仕事をしていない」というのは、単に主だった収入がないということのみならず、いろんなところで隔絶というか、疎外感みたいなものを、感じることがありますね。
朝9時過ぎにのろのろと起きて、シャワーを浴びてPCさわったらもう午後。
必ず毎日1時間は歩くようにしているので用がなくても目的地がなくても家を出て、最寄りの駅まで歩きます(20分)。電車に乗るかそのまま散歩で終えるかはその時決める。
で、不思議だなぁと思うのですが、歩いてる人みんな(もちろん「みんな」ではないのだけれど)どこかに向かって歩いてて、顔を上げて颯爽と、あるいは歩きスマホでフラフラと、歩いていて、杖をつきつつとか小走りでとか、きっと何かの用事の途中で、その間にもそこにお金が生まれていたり、義務教育をこなしていたり、何かを育んでいたりとなかなか「生産的」で、別に意味はないのに出歩いているのはぼくだけなんです。
夕方、駅の改札を出てくる人たちの顔なんかもう。疲れとか達成感とかなんとか一日を終えた安堵とか、いろいろ滲み出ていてみんないい顔してますね。
お金を使っても(コンビニ程度の話でもね)、(お給料とかお小遣いとか)入ってくる予定があるから使っているのであって、減る一方なのに使っているのはぼくだけなんです。外に出れば何かしらにお金はかかるのに、無駄に出歩いているのもぼくだけなんです。
さっきからお金お金と書いているけれどもちろんお金の話がしたいわけではなくて、そう、さっき書いた疎外感。
何かを「生み出して」いるんですね、みんな。おじいちゃんおばあちゃんの、ご近所のお散歩さえも、前向きにしていることであって、それは何かを「生み出して」いることと同義な気がするから、非生産的で、この、「枠」みたいな、社会の「歯車」というとシステム的だけれどもう少し実際的な現実的なもの、なんだろう、「暮らし」かな。
「暮らし」からの疎外感ってよくわからないけれど、自分だけ時間が止まっているような気がするということで、世間の(ポジティブな)「営み」から外れている感じ、みたいなこと。

わかってもらえていると思うから書いているけれどこれは別に心配ご無用で、はじめてこういう立場になってこういうことを興味深く観察していてこう思ったよ、というお話。大いに曲解しているしお金がない人も疎外感を感じている人もきっとたくさんいるし、無職の人もそれなりにいるでしょう。
でも、「仕事をしている」「どこかに属している」ことから外れると、その事実以外にもいろいろ視点が変わってきて、どこか面白くてちょっと怖い。
何も「営んでいない」ぼくは、今夜もたいして興味のない日本シリーズ第5戦をフルで観て(どっちのファンでもないからすごく冷静に)、少しだけPC仕事して、深夜になってこうして文章を書いて、明日はまた、好きな時間に起きるんだ。明日が祝日なのが自分には関係ないっていうのも「営みから外れた」立派な証かも(特権かな)。
人生の夏休みだと、思って仕事を辞めてみたけれど、(一切の後悔はないものの)思ったよりもこのポジションは休まらないということがわかった。
次のお仕事に今、期待と希望と覚悟をもって照準を合わせているところ。
期限つきだからとたかを括って過ごしているこの時間が、この先の役に立ちますように。

書いても書かなくてもいいことだけれども、ぼくの近況を気にしてくれる人がいることは知っているので、こんなことでも書いておきます。
ぼくはとっても、元気です。

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