見てるんだけど、気づかない。
先日ヤコウタケの話をしたのですが、「偶然にも発見されたヤコウタケ」と書きました。実は、ホタル撮影のカメラマンが森の奥に光るものを発見、何だろうと思ったらキノコだった‥。というのが「偶然」という副詞を使った理由です。
それにヤコウタケって、図鑑で調べると八丈島などが生息域となってるから、まさか大山周辺にあるなんて‥と思いもよらなかったのでしょうね。
寿庵のキノコクラブをご指導いただく、キノコ博士のU先生も、昨年初めて実物を目にしたようですが、さすがキノコ博士!似たような環境で他エリアでも発見したと教えてくれました。
いや~~、ほんと世の中知らないこととか、普段見てもそれを不思議だと思わずにスルーしてるものってたくさんある。そういうものを知ったときの衝撃や感動は大人になってもうれしいもの。知らないことを知るってほんと楽しい。もちろん、大人になれば「知りたくなかった‥」なんてこともあるだろうけど(笑)。
さて、こちらはコケイラン。
比較的目にすることがあるので、珍しいという気持ちはありません。そして昨年のこと、コケイランの花期から一か月後のある日、常連さんから「コケイランに似たような花があるけど、何だろうか??コケイランじゃないように思うのだけど‥」と写真を見せていただきました。パッと見た感じ、コケイランだったので、
季節外れのコケイラン‥などと適当な回答。
その時点ではやっぱりそうよね‥ということで話は終わったのですが、その写真をしばらく眺め、うーん、何かが違う気もするけど、なんだろう??コケイランの写真とそのいただいた写真をしばらく見直し、ネットで『コケイランに似た花』と検索したところ「コケイランモドキ」なる似非(えせ)コケイランが出てきました。初めて聞く名前。
いや~~。いわれてようやく違いに気が付くけど、言われなければ、今年も季節外れのコケイランと信じて疑わずだったかもしれません。
気づくって大事、知るって大事。今までもきっと気づかないまま通り過ぎてたものが、たっくさんあるんだろうなぁ~~。鳥もキノコも粘菌も‥そして虫から花からあれもこれも‥。面白いものが目の前に広がっていると思うと、ワクワクが止まりませんね。
「山頂小屋にシュレーゲルアオガエルがいるって聞いたことありますか?」
とヤコウタケ発見の地元きのこマイスターSさんより問い合わせ。
いやいや、さすがにカエルまでは存じ上げませんよ。山頂の池にモリアオガエルは聞いたことあるけど‥。と思って、うちに来るお客さんにカエルの話題をしてみると‥。
「あ、小屋にいるとカエルの声がするよ」
と。聞く人聞く人カエルの存在を知っていました。まぁ、カエル見たくらいで私にいちいち報告はしないし、特に珍しいとみなさん思ってないからでしょうね。ただ、Sさん曰く、
「シュレーゲルであれば珍しいんですよ!調査します!」
やはり聞く人が聞くとその珍しさと、貴重さに気づくんでしょうね。鳴き声が違うので、そう思って聞き分けてみて!とお客さんに課題を出す。リモート調査がこれでいくつかできるはず‥。
いやいや、ほんと、ここにいるとワクワクが止まりませんね。
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