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この夏の楽しみに‥。

宿をしてるといろんな人がやってきます。その中でもやはり印象深い人が何人かいるのですが、彼もその一人。日本を歩いて縦断しながら山を登るDくん。

寿庵の常連さんが、面白い子に山頂で出会った‥といって彼を連れてきたのは、2021年の冬。ちょうど田中陽希さんが300名山をしているタイミングだったのですが、同じように黙々と歩いて旅をしている若者がいるのだなぁ~と感心したものです。

今回、また大山に来たのには理由があります。この夏、北アルプス~中央アルプス~南アルプスを歩いて縦走するという計画を立ているとのこと。ちょうど、この冬Dくんが働いていた白馬のゲレンデから大山までの総距離が同じくらいになるため、トレーニングがてら歩いてきたそうです‥。

トレーニングがてら?????長野から鳥取へ?歩いて???

すごい!

彼のSNSには、多くのフォロアーさんがいるようですが、今回も彼が来ることを知っていた方が合流、一緒に登山をされました。聞くと、応援してくれる人は、私くらいの年代より上の方が多いようでした。私自身それを聞いてすごく納得しました。

今となってはもうできると思わないアルプス縦断。ただ、Dくんと同じ20代のころは「私もできる!」って思ってました(笑)。山小屋で一緒に働いてた仲間がソロテントを担いで、北アルプスから南アルプスから、ほぼすべてのルートを歩きつくしていました。彼女(そう!同世代女子)の地図には、歩いた道が赤ペンで塗りつぶしてあったのですが、すでにかなりのルートを歩いてたのを知っています。私もそんな山歩きがしたい!って思ってたのですが、なかなかチャンスは訪れず。それから8年後にソロテントで縦走をしたのですが、さわりのエリアを歩いて、断念。もう、体力がなかった(笑)。

今、20代のDくんと世代が近ければ、まだ自分もできる!という気持ちがして、ライバル心が出そうです(笑)。そして、身動き取れない自分と違って、自由に動ける彼をすごくうらやましく思うのではないだろうか??でも、今は、さすがにもうできない‥というか、純粋にすごいことをやり遂げてるんだなぁ~という気持ちで応援したくなる‥。

Dくんよりもずっと上の世代の私たちが応援団の平均年齢‥というのに、ななだか妙に納得したのです。

もちろん、年は関係ないって思うのですが、自分の考え方や興味の対象が徐々に変わってきています。若い時はあれだけやりたい!と思ってたいくつかの野望は徐々に褪せてくる。私の中でのアルプス縦断は、自分ではない誰かが自分の代わりにやってくれて、その景色をSNSで見せてくれる‥。そういうものへ変化していきました。

有名な旅行体験記に沢木耕太郎の「深夜特急」があります。2つ下の私の弟が、その本に影響を受け、いきなりアジアへ旅に出たことがあります。私は就職していたのですが、めらめらと対抗心が芽生えました。20歳の時に、沖縄離島を野宿旅をしたころから、そういうものにあこがれを持っていたのだと思います。

ただ、私は「深夜特急」はいまだかつて読んだことがありません。憧れがあるからこそ、衝動的になって、旅に行く!という感情が止められなくなる気がしたからです。

でも、そろそろじっくり読んでみたい。さすがに今、衝動的に旅に出たい!という気になるとは思えません。今から50年近く前の旅のスタイルを読み物として、楽しめるのではないかなぁ?と思います。

Dくんがこれから夏にするだろう、大冒険も一つの一人の成長物語的に楽しんでチェックしたいって思います。

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