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枯死する大山の豊かな森。

大山に登り、ふもとをみると、黒い湖と茶色い森が見える。その範囲は年々広がり、そのうちすべて覆い尽くすんじゃないか?って、そんな恐怖心すら覚える。

黒い湖とは、太陽光発電。
そして、茶色い森はナラ枯れで死んでしまった森のこと。

大山は常に、そして永遠に豊かで、美しい緑の森・・と私は思っているし、きっと、みんなだってそう思ってるだろう。でも、その状況がここ数年で一気に変化しています。

ふもとの森はあちこちで伐採が進む。かなり広範囲で伐採が進むエリアは、きっと太陽光パネルだろう。太陽光パネル。それ以外にも。多くの風力発電がすそのにあるけど、どれだけ電気を供給してるのか??私はよくわからない。でも、原発がなくならないし稼働し続けるってことは。まだ電気が足らないのかな?(そんなことはないはず!)そこら辺は勉強不足。また調べないといけないな・・。

そして今回、太陽光パネル以上に、大山の豊かな森を脅かしているのは「ナラ枯れ」です。ナラ枯れの原因はカシノナガキクイムシという虫。そうだ、子供のころから話題になる、マツ枯れ・・これも虫が関係している。枯れる原因としては、マツノザイセンチュウ説、大気汚染物質説、酸性雨説、菌類説などいろいろな説があるけど、やっぱり激害的な松枯れの主な原因はマツノザイセンチュウであるとされているようですね。その虫が松の体内に入ると、松の生体反応から水を吸い上げる働きが阻害され枯れてしまう。ナラ枯れも同じようなことが、木の中で起こっている。

そう、ナラ枯れの原因も、カシノナガキクイムシが木の樹体内に運び込むラナラ菌が繁殖して、水の吸い上げを阻害することによるものです。虫が木を食べて枯らす・・のではなく、虫の体に付着しているナラ菌(カビ)が木の中で感染症のような症状をおこし、水の吸い上げを悪くしている・・というメカニズム。

先日、環状道路をドライブ。この春はあまり意識しなかったけど、変わり果てた森の様子に愕然としました。

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こんなにも森が枯れていたのだろうか???きっと温暖化だって影響しているのだろう。水不足も・・。すでに弱り切ったナラの木に、虫が入り込む。この夏だけでも、かなり広範囲の森が死滅している。

ちょうど、ナラ枯れについて、考えていた時のこと。偶然にもナラ枯れに関する会議に参加した方からこんな話を聞きました。

「大山の森は今、本当に大変なことになっている。このままでは、ナラやカシの木々はすべて枯れてしまう・・」とのこと。ナラ枯れは、いつか自然に終わり、そのうち森は再生するだろう・・くらいに思っていたのですが、人間が保護の観点からも手を加えないと、自然の力だけではもう再生しない域まで達しているということ。しかも、この秋にでも対策をしないと、来年はもっと広範囲にわたって森が死滅する・・との研究発表があったようです。

※ネットで調べたナラ枯れのメカニズムについて森林研究所のPDFを添付します。

話によると、虫の共生菌としてナラ菌が体に付着しているのだけど、この菌は、キクイムシの幼虫へのエサとして以前は利用されていたようです。ただ、いつの頃からか、変異をおこして、木を攻撃するものに変化。木が枯死するほうが、虫の繁殖を促すという自然の摂理の中から、虫にとって都合のいいものへ変わっていた・・のだと聞きました(と私は解釈)。

以前、里山として人間が深く関与していたころには、こういった虫の活動も抑えられていたが、今は、自然に入り込まずに放置しておくことの方が自然保護である・・という観点から(もちろん、人手不足の為、人の手が入らなくなった))保護=手を加えない・・ということが、皮肉な結果を生み出したのかもしれませんね。

例えば、一の沢から三の沢の豊かな森。ここは以前、炭焼きのために木を伐採していた歴史があります。つまり、キクイムシが繁殖に適した大木になる前に伐採していた可能性が、そのため、被害がなかった可能性がありますね。今、伐採からすでに70年以上が経ち、繁殖にもってこいのサイズになっているのかもしれない・・・(大山の森の歴史についてはまだまだ勉強不足。間違って解釈してたらすみません)。

そう、ここで考えないといけないのは、自然を守るためには、手を加える・・ということが必要である・・ということ。保護する観点からは、矛盾しているように思うのだけど、必要に迫られているようですね。

ナラ枯れに関して、かき出せば、まだまだ終わらないし、私も正直まだ勉強不足で、これ以上、書き足すことができない。

話の結果としては、人間が森に入り込み、手を加える。ただ、それには莫大なお金と、人手がかかる。じゃあ、それを誰がするのか?予算はどうなるのか??研究の結論としても、最終的には、今の時点でできることは、枯れ始めた木をすべて伐採する・・という方法しかないらしい。はげ山になっても、木を切り倒し、森を再生する。切り倒し、虫をなんとか駆除(※)することで、次の木へ移動することを抑える。※実は今、色々な方法で対策しているが、効果があるのかは不明ともきく。

伐採した木を活用し、資金を得て、次の対策をとる。ただただ税金を投入しても限界があるし、行政がここまで真剣に森に対して対応してくれるのか?自然保護(※)の観点から手を加えないのではないだろうか??※自然保護は放置がいいとはかぎらない。

なんだか、難しい問題が立ちはだかってきた。ナラ枯れは、これからの大山の大きな問題になるのかもしれない。山の上に登り、茶色くなった森をみんなに見てほしい。そして黒い湖が広がっていくのを見てほしい。こんなにも簡単に、急激に、森が死滅していくのかと思うと、悲しさを通り越して、悔しくなってくる。

そう思うと、コロナはまだ見通しが明るい。人間が死ぬことに対しては当然対策も早い。でも、木を守るためには、こんなスピード感を持って対策はしてくれないのかもしれない。自分が生きている間に、大山の森が枯死・死滅する可能性がある・・と思うと、もうやるせない気持ちになる・・(涙)

なんとかならないのか?もっと勉強会をして、少しでもナラ枯れに対して、興味を持つ人が増えてほしい・・。それっくらいしか、今の私には出来ることがないのかもしれないなぁ・・・。

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