魅力って何だろう。
秋の風が吹き始め、ようやく過ごしやすいなぁ‥と思ってたのも束の間、再び熱中症注意報など発令されている鳥取県です。
ここ大山寺エリアは標高750m~800m付近の集落ですが、それでも年々暑くなってきております。このままだと、ブナの森などが消滅するのではないだろうか??もちろん、今すぐではなく、徐々に何かしらの影響が出てきて、100年先くらいには景色が一変してるかもしれない(涙)。そうならないように出来ることを‥って思うけど、私が口から排出する二酸化炭素は大した量ではないし、10日一回くらいしか車に乗らないので、そんなに悪影響は及ぼしていないはず。エアコンもないしなぁ~。質素にシンプルに生活。これで少しは貢献できるのかしら?
先日、東京から国立公園についての論文を書いているという学生さんが訪ねてきました。国立公園は全国に34か所あります。それらを訪れた観光客に魅力ある国立公園をあげてもらったところ、大山隠岐国立公園はあまり魅力を感じない‥という結果(専門機関での調査結果)になったようです。
よく、観光業界では「魅力づくり」という言葉を使います。でも、魅力って何だろうか?意味は「人の気持を引きつけて夢中にさせる力」らしいのですが、うちに来るお客さんは大山に魅了されて取りつかれたような方が大多数。
さてここからは自分の考えとまとめ。興味ある人は読んでね・・・
ほんと、大山いいところなんですけどね。大山って通ってくるうちに好きになるってところじゃないかなぁ??って思います。最初は気づかないけど、あとからじわる感じ。その魅力を伝えるべく、寿庵としてはいろいろな企画をしてどっぷり大山沼にはまってもらおうと画策中であります。
じゃあ逆に自分が観光客になって考えてみる。観光地や国立公園へ足を踏み入れた時、何をもって魅力を感じるのだろうか??
日本の国立公園、または世界の国立公園でいくつか訪れたところがあるのだけど、やはりまずは目から入る景色のインパクトってのが一番大きいと思われます。スケールの大きさ迫力。圧倒されるような景観。声にだして「わ~!」って叫びたくなるようなランドスケープ。他のエリアに比べ、大山はそのあたりはインパクトに欠けるのかもしれません。
魅力=雄大で壮大な景観?
そして、その中をあちこち歩いてみたいと思わせるような程よい整備された場所。特に初めてのエリアであれば、気軽に楽しめ安心できる場所であるか‥。また現地へ行った時に情報収集が容易にできるか?というのもありますね。※登山をする場合はまた別です。容易な気持ちで行くわけではなく事前の準備8割と言われるように、当日になって現地で情報収集はしないと思われます。
安全でほどよく整備された遊歩道?
充実した情報を得ることのできる案内所?
コンシェルジュ??
あと国立公園は決して自然だけではなく歴史的背景を含む場合もあり、大山隠岐国立公園は「神話・信仰」というキーワードも含むようですね。※大山の山の周辺だけが国立公園に指定されているわけではなく、お隣島根県の三瓶山から隠岐の島も含みます。
山を純粋に楽しみたい人は、登山という行為ですでに90%くらいは目的を果たすことができ、そこに快晴という要素が加わればより満足度はあがるでしょう。残り10%くらいがそのエリアの名物(食)だったり歴史だったり土産だったりをかいつまむことができればいいのではないだろうか??。
観光客は何をするために、大山へ来ているのだろうか??国立公園とみなさん意識してきてる人がどれだけいるだろうか??いちを日本遺産にもなってるけど、世界遺産に比べるとブランド力はかなり欠ける。もちろん、みなさんただ漠然と来るというよりは、ある程度目的があるには違いない。
山を見る。
森の散策?
ドライブ。
寺や神社を参拝する。
食べ歩き?土産買い物?
例えば、若かりし頃に旅したヨーロッパを考えてみる。各都市魅力的な場所ばかりですが、ガイドブックに掲載される全部が回れるわけじゃない。いちをそのエリアのベタな有名どころへ行ってみる。自分の足で回ると、効率も悪く表面的なところしか見えない。そんな時は、現地ツアーに参加して、かなりマニアックな、でも、押さえておくべきポイントを見逃さずに回る。正直駆け足みたいな回り方をするので、またチャンスあれば再来して、じっくり見たいと思ったけど、その後まったくチャンスなし。でも、現地ツアー参加ってのはかなりおススメですね。おいしいとこをいい感じにつまみ食いですね。
当日でも参加できる、そのエリアを知るためのツアー。
登山ツアー・散策ツアー?
歴史的背景などを少し学べる場所。
いちをその土地の名物ってのは食べてみようって思うかな?私は体験する事や見ることにはお金をかけたけど、食に関してはいつも予算を使わなかった(というより使えなかった)ので、またチャンスあればガイドブックに載ってるような名物は押さえておきたいなぁ。
その土地ならではのおいしい物。
購入したいアイテム。
そこでしか買えない物??
うーん、でも、これらのことは観光業界では当たり前のことで、当然今までも大山として取り組んでいることのはず。過去参加した会議でもこれらの話題のリフレイン。コンサルの話もたいてい同じようなことで目新しいことはほとんどない。
町並みの整備。
景観の整備。
お店の充実??
インバウンドに関する会議でも同じような話ばかり。
多言語ガイドブック?
音声ガイド。
通訳システム?
キャッシュレスサービス。
多言語表記の看板。
うーん、正直これらって必要???それっておもてなしなの?母国語の看板があってもうれしいのだろうか?せっかく海外に来てるのに??せっかく異国の地に来てるのに??こういうものこそ、ハード面の整備じゃなく、ソフト面での対応、例えば”おもてなしコンシェルジュ”がしっかりサポートしてあげればいいのでは?
それにしても、私も色々考えてみるけど、ありきたりな一般的なアイデアしか出てこない。ただ、他のエリアで成功した事例をコンサルは持ってきて同じように進めようとするけど、このエリアの特性を活かしてないなぁ~といつも思う。
じゃあ、このエリアの特性って何だろう??
山
自然
四季
海の幸・山の幸
アクセスの良さ
アウトドアアクティビティ(スキー・登山・キャンプ・川遊び)
1300年の歴史
もちろん、反面。ネガティブなこともたくさんある。
天候に左右
クルマでのアクセスが良すぎるので滞在しない??
公共交通機関だと不便?
滞在できる店(休憩所)が少ない?
・・・
・・・
などなど。
正直ネガティブな(ハード面での)分野を変えようとしても難しいので、いい面をもっともっとアピールして活かす方がいいって思う。無いものを作るよりあるものを活かすべき。
山=登山などを楽しんでもらう、ガイドツアー造成、各ルートの程よい整備と案内。
自然=自然の中にたたずむだけでも癒し効果、リトリートツアーなどの造成、自然を勉強するような体験学習、子供向け、大人向けの自然勉強会。
四季=リピーターを増やすため、各シーズンをアピール。年に4回は来てもらえるように仕掛けをする。
海の幸・山の幸=海産物が近くで手に入る。大山のクロボク大地で作られたおいしい野菜や果物。天然キノコや山菜。
アクセスの良さ=各高速のICから30分圏内。海から山までが近い。見る角度で違う大山の魅力を広域に移動し楽しんでもらえる。
アウトドアアクティビティ(スキー・登山・キャンプ・川遊び)=案内窓口の充実、サービス向上。設備の維持、保全。
1300年の歴史=語り部、歴史勉強会、史跡巡り、座禅体験など。
と思いつくことでもたくさんありますね。
でも、あれもこれも改善はできないし、対応も出来ない。この中で自分ができるものをやっていく。地域で一緒に足並みをそろえようと言われるけど、考え方は違います。来るお客さんの層も微妙に違うので、それぞれがそれそれの持ち味を生かしてやっていくべきって思う。もちろん、一人でやっても改善はなかなかしないし、小さい範囲でしかできないけど、各旅館、各施設、各ガイド、各窓口、各店舗が自分たちのできる範囲で、目の前にいるお客さんによりよくしていくことが一番大事な気もします。万人受けするように整備するのは難しいけど、このエリア全体で受け入れし不足部分はカバーしあえばいいってことですね。
そして、これから来るであろう見えないお客さんに対し、何がニーズか考えるのは難しい。でも来てくれたお客さんに対し、丁寧にすることは誰にでもできるし簡単なこと。そのお客さんがまた来てくれて、しかもお友達を連れてきたり、紹介してくれたらいいわけで、そうやって根気強くやっていくことをそれぞれがやっていくべきだって思います。それで各施設でお客さんが増えれば、全体が増えたってことですもんね!そしてリピーターが増えれば魅力がアップしたという結果に結びつくはずですね。
ところで国立公園ってなに???
先にも記述したけれど日本には34か所あります。でネットでサクッと検索すると、
代表的な景観の地を国が指定し、自然保護や管理をし、国民の保養などに使う公園とした地帯。
ということです。じゃあ、ここで営業してる私たちがすべきことは、「自然を生かして魅力を引き出すこと」なのではないだろうか?
じゃあ、それも踏まえて寿庵のことに置き換えて考えてみる。
とにかく大山が好きって人が来てるので、みんなの目的はただただ大山の自然、そして登山。私があえて宣伝せずともそびえる大山そのものが広告塔。どこから見ても一目瞭然のランドマーク。これ以上何も望まない。
充分すぎる素材があるので、私はじっくりと丁寧にそれを伝えることをしていけばいいのかな?
野外で遊ぶことがメインで自然そのものがみんなの目的。繰り返し大山に来たいので、できれば泊りは安い方がありがたい。この辺りのニーズがうちの客層にマッチしている。
あとは私がすべきことは、ただただ暖かく迎え入れてあげることではないだろうか。以前の女将さんもそうであったように、初めてのお客さんも常連さん!って気持ちで接してあげるってことですね。
色んな事を思うけど、結局、いつもやってることで十分かな?って結論ですね。もちろん、改善すべきところは直す、よくしていくことは怠らないように、でも、大山の自然を前面に押して、表にしゃしゃり出ずに淡々と宿としてこの地でやっていければ‥って思いますね。それがうちに求められてることでもあるでしょうね。大山推しの私が大山の魅力をたくさんみなさんに発信し、大山ファンを増やすことをこれからもしていきたいって思います。
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