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スプーンをつくる1(春、躍る。 dance club)

 一人暮らしを初めて、初めて買ったスプーンが最近違和感を感じるようになった。スプーンは3種類もっている。ご飯用の大きいスプーンとお茶用のteaspoon、機内食で出てきたプラスチックのスプーン(なぜこれが家にあるのかは分からない)だ。


ご飯用スプーンは私の手には、少々大きすぎ、インスタントスープやココアをかき混ぜるには大仰しすぎる。teaspoonでは、スープを飲みにくい。そして、インスタントはいつもだまになって、底に残っている。

気になり始めたら、だんだん小さなストレスが溜まってきた。

機内食で出てきたプラスチックのスプーンが大きさ的に私の手にベストフィットだけれど、でもプラスチックってな。


よし、スプーンをつくろう


と思いたった。


以前一度、知り合いの先生の所で、木のスプーンを作ったことがあった。
すぐに連絡を取る。合わせて先生と共通の友人も誘った。



一ヶ月後、
友人は茶道で使うお菓子切り、私はスプーンを作ることとなった。


スプーンは事前にどんな大きさにしたいか教えてほしいと先生から言われていた。プラスチックのスプーンの全長をものさしで測り17cmと先生に伝えた。形は自分で整えていくのだが、一応目指すスプーンの形をイメージしておく。


私がスプーンに求めたものは、
・底に溶かし残しなく、しっかり混ぜられること
・柄の長さは、長すぎず短かすぎず私の手にフィットした形であること
・口に入る部分は、大きすぎず小さすぎず、それなりにスープや具がすくえること


だった。



参考になるものをネット画像で探し回り、たどり着いたのが柳宗理のカレースプーンが目指すものに近い気がした。




このスプーンの宣伝文句には、
『皿部の先端を浅くつぶし、へらのようにすることで具材が切り分けがしやすく、小さなご飯粒まできれいにすくえ・・・』
と書かれていた。



スプーンで四角という形にシャベルのイメージが重なり、少し抵抗があった。でもインスタントのスープであれ、私はおいしいものをきれいにすべてをさらいつくしたい!



この形を目指すことに決めた。



スプーンをつくることも楽しみだけれど、それは口実だったのかも。
先生や友人に会えることが楽しみな気がする。私は人と関わることに飢えていたのかもしれない。


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