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チェロ またね

気付けばクリスマスなことに驚き。

教室の場所を間違え、違うところで待っていた。
先生が呼びに来てくれた。



いつもの練習。第三ポジションへの移動と拡張型の練習。
なかなか指が広げきれない。でも第一ポジションでは、小指までちゃんと押さえられるようになってきた気がする。

課題曲は拡張型まで指がなかなか広がらないので、指の移動に時間がかかる。でも毎度言われていること。
最後に音源に合わせて練習した。5割ぐらいは合わせられるようになった気がする。自画自賛。



先生はこれまでと違って苛立ってなかった。

そう、これで最後だからだ。
もうすぐで2年迎えるはずだったけど、やめることにした。



秋からうすうす感じていた限界がピークを迎えた。


仕事を辞めるか続けるか問題、じゃあ次の仕事は?
家は購入するか、とりあえず賃貸か。
これからも独身で生きるのか。


自分のこれからの人生問題に加え、家族トラブル表面化。

本当はチェロを唯一安心できるところにできればよかったけれど、
自分ができないことばかりにフォーカスする所になってしまった。


今自分ができないことをカウントするときじゃない。
自己肯定感を保っていたい。
受け止めきれない。


もう自分のキャパシティをオーバーした。



続けるにはマイcelloをもっていたほうがいい。
知ってるけど、今の環境、状況ではできない。


楽器を持たなくてよいとしても、
これ以上は自分が変化できない。
続けられる要件が見当たらなかった。



だから一旦やめようと決めた。
決めた時、とても哀しかった。大好きなのに。
続けたい。
でも今はできない。
でもやりたい。


その繰り返しだった。



次は、チェロが弾けそうなところへ引っ越しする。
弾ける家を買う。
弾ける仕事に就く。
安全、安心できる場所をつくる。



最後の授業。
あっというまだった。
終わりは、思っていたよりずっとあっけなかった。
先生には「楽しかった」と伝えた。
辛い時もあったけど、挑戦できる時間が好きだった。
楽器も持っていないのに、教えてくれた先生にはすごく感謝してる。音楽会とか知らなかった世界も見せてもらった。



帰りはやっぱり淋しくて、哀しくて
失恋したような気持ちだった。



いつもは帰ったら、鞄に楽譜をいれっぱなしで定位置に掛けるのに、
今日は楽譜を本棚にしまった。





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