益となる

[ローマ人への手紙 8:28]

神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会 

 「神を愛する人たち」というのは、神を信じ、神の命令に従順であろうとする人たちである。
それを28節では、「神のご計画にしたがって召された人たち」とイコール関係で結んでいる。
簡潔化すると、キリスト者とは神の何らかの目的に沿って、神に選ばれた人たちなのだ。
そして、その人たちに神はすべてのことがともに働いて益となるようにしてくださると言う。
「すべて」と「ともに」という言葉は単立ではなく、複数形の名詞と一緒に使用される言葉だ。「すべて」とは人間的に良いと思えるものと、悪いと思えるものの二つを含んでいる。その二つ以上の複数の出来事がともに働いて結果的に神は益とする。この「益」もややこしい。私たちは「益」と聞けば、利益や儲けを思い浮かべる。
だが、「益」とは人間にとっての私的利益とは限らない。パウロがこの28節で言いたいのは、私たちにとってただの利益話になる事を述べているのではなく、私たちに起こる全ての状況を神は長期的な神の国拡大の益のために好転させる力あるお方である事を伝えている。もちろん、神は私たちの幸せを誰よりも願うお方である。しかし、私たちの世俗的な幸せと呼べる体験や快楽をより味わわさせることが目的で働いておられるのではなく、ご自身の何らかのご計画を果たすために働いておられるのだ。

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