5つのコーチングとKさんの思い出

コーチングを学んだのに使えてない。という人がいます。

特にスクールとか行って、しっかり学んだのに、最近コーチングできてないみたいな人。

残念だよね。

勘違いしないで欲しいのは、コーチング「してない」ってことが残念なのではないです。

コーチングのイメージが残念なのです。

コーチングって、クライアントがいようがいまいが毎日できるものだし、毎日使って、毎日楽しくて、毎日効果があるものなのです!!

プロコーチになるまで何人にセッションしたか

2010年にプロコーチ養成スクールを始めたころ。日本の誇る名コーチ平本あきおさんから質問されました

「私がプロコーチになるまでに、何人にコーチングしたと思いますか?」

変な質問ですよね。答えに悩みました。平本さんは100人コーチングと言って、100人にコーチングしてフィードバックを貰うという練習を推奨していましたから「100人かな?」と思いました。で

「100人ですか?」と言ってみたら

「全然違います」

との答えでした。悩みました。じゃあ何人だろう。コーチングが抜群にうまい平本さんのことだから、20人くらいにコーチングしてたら、どんどんクライアントできてプロになったのかと思い「じゃあ20人?」ときくと

「全然違います」

んんん?これは一人目からプロとして関わってました!みたいな話か?それとも、実はめっちゃ苦労してて、500人くらいやらないとプロになれませんでした。。。みたいなことか。。。。とか悩んでしまったわけです。

僕が悩んでいる様子を見て、平本さんは言いました。

「多分、だいじゅは勘違いしてますね。コーチングはだいじゅが思っているようなものと違います」

そして

「数えてみたんですけど、私がアメリカから帰ってきて、プロコーチになるまでに大体10000人にはコーチングしていました」

一万人???どれだけ時間かかったの???

ぼくの頭の中は『?』でいっぱいでした。

「だから、だいじゅは勘違いしているんですよ。目の前の人に一声かけて、その人が元気になればコーチングです。一つ質問を投げかけて、その人がちょっと考えたらコーチングですよ。普通に生きていたら、毎日何十人もの人相手にしてしまうのがコーチングです」

恐れ入りました。僕はうっかり1対1で時間を決めて行うセッションだけをコーチングとカウントしていたのです。

で、僕も計算してみました。2005年にコーチングデビューしてから、プロコーチになるまでに、どれくらいコーチングをしていたのか。。。

驚くことに僕も約一万人だったのです!

一万人がどれくらいの数かと言うと、一年で達成するなら、1日あたり27人強くらいです。
多いとも言えますが

・家族
・マンションの管理人さん
・近所の人たち
・コンビニの店員さん
・電車やバスの運転手さん
・ビルの守衛さん
・社内を掃除をしてくれてる人
・チームメンバー
・そのほか社内の人
・ランチの定食屋の店員さん
・カフェのスタッフ
・帰りによった飲み屋の店員さん
・となりにいたお客さん

など、誰にでも一声かけるようにすれば、延べ人数でいいなら、簡単にクリアできるの数です。

考えてみてください。これだけいろんな人に、その人が少しでも元気になる言葉をかけたり、自分自身のことを考えるための質問を投げかけると。。。

めっちゃ、周りの人たちが変わっていきます。そしてあなたの周りではいつでも楽しいコミュニケーションが繰り広げられます。

初対面の人ともどんどん仲良くなりますし、会社のメンバーからも相談される機会も増えてきます。こういう中から、お金をもらって仕事としてコーチングする機会も増えてくるわけです。

これを1万人コーチングと呼んでいます。毎年延べ1万人くらいコーチングするつもりで、一言声がけ、一言質問を続けていくのです。これはおすすめの生き方です。

別に毎日数人だって構いません。人数はあなたが決めれば良いのです。ただコーチングマインドはいつでもどこでも発揮できるものですから、毎日の生活の中でコーチングを実践する機会はいくらでもあることは忘れないでください。

5つのコーチング

そして、僕は5つのコーチングを知って欲しいと思っています5つ

5つのコーチング

まず最初にいわゆるコーチングセッションですね。時間をとって「ではいまからコーチングをしましょう」と言うやつです。これについてはご存知だと思いますから説明は割愛します

次にOJC。初耳ですかね。だと思います。僕が作った言葉です。オン・ザ・
ジョブ・コーチング、略してOJCです。OJTみたいなものです。
OJTをコーチングを使ってやってみるのです。これは本当に素晴らしい効果を発揮します。

どんなものかは、以下の記事などを参考にしてみてください

これは日々のコミュニケーションをコーチングに置き換えてくれる素晴らしいアイディアです。お子さんとのコミュニケーションもこれに置き換えると、大きく変化していくと思います。

次が、先ほどご紹介した一万人コーチングですね。これをやると、あなた自身も周りも大きく変わります。これこそコーチの生き方という感じだと思います。

そして次が心理教育です。心理教育というのは、相手に心理のことについて教えることです。僕がnoteを書いているのは心理教育のためです。これってコーチの大切な仕事だと思っています。

・ゴールから考えた方がいいんだよ。なぜなら
・リソースをたくさん見つけてみよう。例えば
・まず行動してみるといいよ。そうしたら

とか、少しだけでもコーチングの考え方について教えてあげてください。そうしたら相手は自分でそれをやってみる可能性があがるのです。これもコーチングの活動の一環だと思ってよいのではないでしょうか

最後に背中でコーチングです。僕はこのことの可能性をKさんと言う人に教えてもらいました

Kさんとの思い出

僕がまだNTTグループで会社員をしていたころの話です。
最悪の管理型パワハラマネージャーだった時期を脱して、僕はコーチングに燃えていました

それこそ一万人コーチングで、目につく誰にでも、元気になるような声がけをしていました。

チームのそれぞれのメンバーには、10年後など長期ビジョンを描くのを手伝い、そのために今この部署でやれるとよい仕事にしっかり取り組めるようにサポートしていました。

チームメンバーのモチベーションも上がり、僕自身も手応えを感じていました。

でも、一人だけコーチングを頑なに受けてくれないメンバーがいたのです。それが年上部下のKさんでした。

Kさんは面談でも当たり障りのないことしか言いませんでした。僕としても強制的に聞き出すことはできないし、したくないので、そのままにしていました。

Kさんは、別に仕事に不真面目だったわけではなく、決められた仕事はきちんとしていましたし、面白いことをいって笑わせるムードメーカーでもありました。

でも、コーチングは受けてくれない。僕から誘っても「他の人にしてあげてくださいよ」といつもかわされていました。

正直寂しかったです。でも仕方ありません。みな好き嫌いがあるし、皆がコーチングを求めてくれるわけではない。彼の力にもなりたかったけど、それを相手がのぞまないのが現実でした。

何ヶ月か立ち、春が近づいてきたある日、Kさんから突然ぼくに声をかけてきました

「宮越さん。今日飲みに行きませんか?」

それまでKさんと二人で飲んだことなどありませんでした。きっと転職するとかそんな話だろうなと直感しました。

仕事後、Kさんに連れられて、彼の行きつけの居酒屋に入りました。とりあえず乾杯をして、当たり障りのない話をしているうちに、案の定、彼は話を切り出してきたのです

「宮越さん。僕4月から大学に行くことになりました」

大学???驚きました。そんな話だと思っていませんでした。でもこの後、彼はもっと驚くことを言ってきたのです

「宮越さんのおかげですよ」

?????僕のおかげ??コーチングもしてないのに???

「宮越さん、頑張ったよね。。。ただでさえ忙しかったのに、週末コーチング学びに通って。。。部署のみんなにコーチングして。。。みんな本当に変わりましたね。。。僕、すごいなと思いながら見てたんですよ。。。人って本当に変わるんだなって。。。。だってほら、宮越さんはちょっと前まで、まぁまぁひどい感じだったじゃないですか」

彼は続けます

「でね。それを見ながら思ったんです。僕もまだ変われるのかなって。。。それで大学に行きたいなって思って。。。。」

「どういうこと?」と僕はききました

「僕、実は大学中退してるんです。高校の頃留学したくて、お袋は貧乏なのに金を用意してくれて、アメリカの大学いん行ったんですよ。でもついていけなくて、それをお袋にも言えなくて。。。。で何年も誤魔化して。。。。でも結局バレて、お袋泣かせました。。。情けなかったです。。。。日本に帰ってきて、職を転々としながら。。。あの時もっとやっておけば良かったと思わないわけじゃなかったけど。。。。でも、もうとっくに諦めてました。。。。そしてお袋も何年も前に亡くなってしまって。。。。」

僕はKさんのことを何も知りませんでした

「でもね。宮越さんを見てて、僕は思ったんです。もう一回やりなおそう。やり直したい。だから、去年からこっそり試験勉強を始めました。で受かったんです。。。あ、安心してください。会社は辞めないので」

「おめでとうございます!!本当にすごいよ」と僕は言いました。泣きそうでした。

「この間、ひさしぶりに、お袋の墓参りに行きました。そしてお袋のお墓に。。。お墓に抱きついて泣きました。。。。お袋。。。俺。。。もう一回頑張るよ。。。。宮越さんって人がチャンスをくれたんだ。。。。今度はやるから見ててくれよ。。。。って」

Kさんは泣いています。僕もボロ泣きでした。

僕は何にもできていないと思っていた。何にもさせてもらえないと思っていました。

でも、こんなふうに、知らないところで、素晴らしいことが起きているんだな。

ただ一生懸命仕事をしていただけなのに。。。。

だから思うのです。あなたの背中はコーチングをしています。まだあなたは気づいていないかもしれないけれど。あなたの背中を見て刺激を受ける人がいる。あなたが自分らしく、人と生きている姿を見て、自分もそうなりたいと願い動き始める人がいるのです。

ということで、僕たちはコーチングをしない方が難しいくらいの状況なのです笑

こうなったらコーチングライフをエンジョイするしかないですね!

Kさんのエピソードや、酷かった頃の宮越。そしてどんなコーチングを学んで何が起きたか、この本に書いてあります。まだ読んでない方はオススメ


そして、僕たちと本格的なコーチングが学びたい方はこちらをどうぞ


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