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カウンセラーになりたいあなたへの手紙④あり方を育てる

あり方が影響している

カウンセリングをするには、ベースになる考え方=理論を知ることも大切ですし、実際に使われる技法(スキル)を学んで練習することも大切です。

まぁこのあたりは、あなたが先生と決めた人に習えばいいと思います。先生によって教えることはまちまちなので。僕のところで学びたいひとはうちのスクールへどうぞ(もしくはYou Tubeでも何千本も動画だしてます)

今日は、それらとは違う。あり方の話です。

僕は、サラリーマン時代、グループのメンバーにコーチングがしたくて、学び始めました。最初は本を読んだんです。

役に立ちそうな質問がたくさん載っていたので、相手に合いそうな質問をピックアップして、早速質問してみました。

全然だめでした。まったく答えてくれないし、しつこくきいたら泣き出しました。

いまならわかります。どんなにいい質問でも、関係性が悪かったら、そんな相手にきかれても答えたくない。

そして、問題は関係性だけではありません。

同じ質問をしても、コーチカウンセラーであるあなたの体調や機嫌、集中度合いによっても、違う回答になってしまうことがあるのです

NLPではスポンサーシップメッセージの練習というがあります。こころの中で相手に対して「あなたはできるよ」「大丈夫だよ」「素晴らしいよ」などと唱えながら、普通のコーチングクエスチョンをしたりするのです。心の中であなたがどう思っているのかによっても、相手の答えが変わってきます。

だから、あなたが心の奥で何を信じているのか、何を思っているのかも、コーチングカウンセリングに影響しているのです。

そんな諸々を含めて、あなたのあり方が、コーチングカウンセリングに影響を及ぼしています。

どうやったらあり方を育てていけるか。

そんなことに関心を持ったら以下のことを試してみてください

ゆっくり生活する

ゆっくり生活することは、あり方にも影響します。

いまここにあるすべてを味わい。楽しむ。興味を持つ。面白がる。いろんなものを評価判断せずに受け入れる。その奥にあるものに関心を持つ。結果のみを求めるのではなく、プロセスもしっかり体験する。

そんなつもりで人生を送っていると、自然とクライアントに対する関わりも、

・落ち着いた
・評価判断のない
・肯定的な関心をもった

ものになってきます。

人間性心理学の巨人カール・ロジャーズは

・自己一致
・肯定的関心
・共感的理解

この3つの条件を満たす人が関わるとき、実際に使っているスキルが何であれ、相手にポジティブな変容が起きるとしています。

つまりあなたがこの3条件を満たすなら、あなたがどんなカウンセリングをしようとしまいと、相手がいい方に変わっていくのです!

自己一致とはあなたがあなたらしくあること。いつでも周りで起きていることや、自分の内側に起きていることに気づき、その上で自分らしい選択をしていることです。これは、あなたがゆっくりと自分や周りを感じながら生活し、その時々の気持ちを大切にしながら生きていくことで身についていきます

肯定的関心とは、簡単に評価判断せずに、まずは関心をもって受け入れてみることです。こうあるべき、こうするべきと思わずに、ゆったりと構えて、まずは知ってみようとすることです。これもゆったりと、反応せずに、いまここにいることで身についていきます。

共感的理解とは、相手の立場に立って理解を深めようとすることです。ぜひ、ゆったりと観察しながら生きてください。人といるときは、ゆったりと話をきき、相手の雰囲気を感じ、そして、この人はいまどんな気持ちなのかな?などに興味を持つのです。相手のことをよく知ろうとしてください。相手をよく見て、よく聞いて、よく感じる。そして、その奥にあるものに興味を持つのです。

こんな風なイメージで、ゆっくりと生活すること、ゆっくりと人と触れ合うことで、あなたは自然と、人の変化をサポートするあり方を自分のものにしていくのです。

少しでも
・セカセカする自分
・べき論で動く自分
・評価判断する自分
・わかった気になる自分
を感じたら、ゆっくり生活する時間をとってください。カウンセラーのあり方を身につける時間になります


心の声を聴く

クライアントの心の声を聴くのも大切ですが、その前にあなたの心の声もきいてあげてください。

あなたの心が言葉を喋るなら、なんて言いそうですか?

たとえば「さいきんちょっと寂しい」っていうかなと思ったら

自分の心に意識を向けて「ちょっと寂しいの?」って声をかけてみてください。

しっかり意識を向けていれば、なにか反応を感じるはずです。

その反応がYESっぽいのかNOっぽいのか、感じようとしてください。

じつは、心(無意識は)YES/NOクエスチョンには反応してくれるのです。これはユージン・ジェンドリンが開発したフォーカシングというセラピーの教えです。

練習しているとだんだん心の声を理解できるようになりますから、試してください。

そして心の答えが「寂しいの?」→YESだったら、
今度は何があったら寂しくないかな?って想像してほしいのです。

「Aさんと話したい」かな?と思ったら、

また心に「Aさんと話したいの?」とYES/NOクエスチョンで問いかけてみます。

こうやって、心が欲しがっているもの(したがっていること)に気づいていき、さらにはそれを可能な範囲で実行してほしいのです。

こころの声を理解し、そして心が望んでいることを実行してみる。そうすることで、あなた自身が幸せになったり、よい状態になったりしていきます。

心が望んでいることを実行していくと、自分らしい人生になってきます。自分らしい人生を生きていること。それがカウンセラーの理想のあり方の一つだと思います。

自分らしく幸せに生きている人に関わってもらうと希望になりますよね。ぎゃくに無理したり辛そうなカウンセラーだと、ちょっと休んだらとか思われかねない。。。

でも安心してください。あなたが完璧に自分らしくて、完璧に幸せである必要はありません。現在進行形で、心の声を聴きながら、自分を満たして生きていこうとしている人にサポートしてもらうことが大切なのです。そのことで

クライアントは、自分にもできる。大丈夫と思うのです。

アドラー心理学では「あなたが完璧になると、相手の勇気をくじくことになる」と言います。あなたが完璧だと、相手は「わたしはあなたみたいにはなれない」と思ったり「私はあなたの力になることはできない」と思ったりするのです。

だからあなたは不完全でいい。不完全ながらに自らの声をきき、自らを幸せにできる「あり方」がクライアントに勇気を与えるのです。


心の声がきこえにくければ、心に「まだここにいたい?」とか「もう帰りたい?」とか、いまやっていることを続けたいか否かをきいてみるのもいいかもしれません。比較的反応がわかりやすいと思います。いずれにせよ、諦めず色々なタイミングで、心にYES/NOクエスチョンで問いかけてみてください

自分が良い状態になる行動は?

自分が良い状態になるような行動に気づきましょう。できたらリストを作ってください。

「瞑想」「公園を散歩」「軽くジョギング」「Aさんと電話」「カレーをたべる」「コーヒーを淹れる」

なんでもいいのです。なるべくたくさん。短い時間ですぐできるもの。結構大掛かりなもの。いろいろ書き出してください。

そして逆に、あなたの状態を悪くする行動もリスト化してみます

「時間ギリギリに家を出る」「夜更かしする」「◯◯に関する情報を見る」「Bさんと話をする」「座りっぱなし」

これもなんでもいいのです。やめようと思えばやめられるもの。ちょっと減らすくらいならできそうなもの。なかなかやめにくいもの。なんでも書き出してください。

そして、なるべく、悪い状態になる行動を減らし、よい状態になる行動を増やすようにするのです。

これは

行動活性化法

というれっきとしたセラピーでもあります。

あなたがこれをすることで、当たり前ですが、心の状態や身体の状態がよくなります。よい状態でいたほうが、クライアントとの関係もよくなるし、セッションもうまく行きやすいです。

なにより私たちは機嫌のいいカウンセラーでいたいですよね。
  
そして、この行動活性化法の素晴らしさは機嫌が良くなるだけではありません。やっていて楽しいことをやり、やりたくないことを減らすというのは、すなわち、自分らしく生きることなのです。

あなたが自分らしく人生を楽しんでいること。それもクライアントの希望となります。

夢に向かって毎日生きる

だからあなたが夢に向かって生きていることも大切です。数ヶ月、場合によっては何年もかかる夢に向かって生きること。

楽しみながら、コツコツと努力すること。それもクライアントにとってよい刺激となります。

望む人生を手に入れるには、ある程度の時間やエネルギーが必要なのです。カウンセラーであるあなたは、それをコツコツと、しかも楽しみながら続けている。

そしてあなたはそのためにコーチングカウンセリングを受けている。コーチングカウンセリングを受けながら人生を変えている。そしてこれからもさらに変わっていく。

そんなあなたをみて、クライアントは私もやりたいな。できるかな。と思い始めるのです。

すぐには手に入らないものを、ある程度時間をかけて追いかけつづけましょう。あなたがそうしていることもクライアントにとっての希望なのです。


未完了の完了

あなたの人生を振り返り、未完了リストを作ってみるのもいいです。

・◯◯を提出、Aさんに返事をする、B社にもう一度問い合わせをする

みたいなものも

・Cさんに感謝を伝える、Dさんに謝る

みたいなものも

さらには「後悔していること」「本当はやりたかったこと」「中途半端で止まっていること」なども

いろいろ書き出してみます。

そして書き出したら、すぐに取り組めそうなものは、少しでも手をつけてみます。少し心が軽くなるのを感じると思います。

リストを眺めてみると、もう手放していいものにも気づくかもしれません。そうしたらそれらは消してしましょう。

完了させてほうが良いけれど、いまは手がつけられないものは、いつぐらいには手を付けるかだけ決めてみたりするだけでも良いです。

べつに全部の未完了を完了させる必要はありません。少しずつでも完了させていけば、心の状態は良くなるはずですし、自分に自身がついたり、世の中や人生を楽観的に捉えられるようになってきます。

これもまたカウンセラーのあり方として大切なものです。

感動物語に出会う

たくさんの感動物語に出会ってください。以下の記事もおすすめです

人ってすごい!人生ってすごい!世界ってすごい!

と感動して生きましょう。そうする中で、自分の可能性もクライアントの可能性も、もっともっと感じられるようになります。

あなたがクライアントの可能性を自然と感じる事ができると、クライアントによい影響が生まれます。

あなたの中にある感動物語にふれるために、コーチング、カウンセリングを受けるのも良いですね。自分自身とクライアントの可能性を信じることが、私たちの活動の原点です

ということで、理論やスキルを学ぶことも良いですが、あり方を育てるための時間もとってくださいね

続く

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