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カウンセラーになりたいあなたへの手紙①ゆっくりはじめる

僕は2005年にコーチング、アドラー心理学、NLPに出会いました。2007年からはプロコーチ、カウンセラー、コーチング講師として仕事をしています。

僕がやっているカウンセリングがどんなものかは、こちら↓をどうぞ。自分で言うのもなんですが、とんでもない記事です

今日は、

カウンセリングできるようになりたいけど、どうしたらいいの?というあなたのために(結構学んだんだけど、できる気がしないというあなたのためにも)

あなたがカウンセラーになっていく道筋をイメージしてもらいます!


あなたはすでにカウンセラーです

僕がコーチング、カウンセリングのトレーニングで繰り返しいっていることですが、あなたはすでにカウンセラーです。もう少し厳密に言うと、あなたの中にカウンセラー的なあなたがいます。すでに

その自分を育てていき、その自分が全面に出て人と関わるようになると、あなたがしていることがカウンセリングになるのです。

厚労省のサイトではカウンセリングを以下のように説明しています

「カウンセリングは、どうしたらよいのかのアドバイスを受けたり、答えを出してもらったりするためものではありません。自分自身の力で立直っていくきっかけをつくったり、気持ちや考え方を整理していくサポートを行ったりするのがカウンセリングなのです」

要点は2つですね

①自分自身の力で立ち直っていくきっかけをつくる
②気持ちや考え方を整理していく

さぁ、思い出してください。あなたが誰か悩んでいる人と話をしてて、相手が「自分で立ち直っていった」ときのこと

相手があなたと一緒に「気持ちや考えを整理した」ときのこと

なんかあるでしょ?これに近いこと。だから、まずは知っておいてください。カウンセリングは特別なものではない。誰にでもできるものだし、カウンセリングに近いことを誰もがしてきたのです。

カウンセリングになるような関わりとは何か?あなたがそれに気づいて、それを実行すればそれがカウンセリングです

(まぁカウンセリングと真逆のことも、多くの人がしてきてはいるんですけどね)

カウンセリングは特別なことである

はい。早速前段と矛盾するようなことを言いますが、これも真実です。相手を支援するための特別な関わりがカウンセリングです。

そして、それをしっかり理解し極めたかったら、あなたに合っている大学大学院を探して専門的なトレーニングを受けるのが良いと思います。病んでいる人たちと関わることも多いので、相手のことをしっかり理解して、心理療法的に間違いのない関わりをしたいなら、そうすべきです。僕も様々な専門的な心理療法の先生や指導者、精神科の先生の教えに触れてきましたが、それは特別な考え方やり方で、きちんと学ぶ価値のあるものです。

なので、次にあなたに問いかけたいのは

   どんなカウンセラーになりたいの???

です。クリニックで働く心理士さんになりたいなら、大学院など専門機関でトレーニングを受けましょう。統合失調症とか、うつ病など「症」とか「病」の『治療』を行いたいなら、医学部にGO!です。

でも、目の前にいる悩んでいる相手が
・少し落ち着く
・ちょっと自分のことを受け入れる
・ちょっと人を信じることができる
・何かやってみたくなる

みたいな方向に変わっていくのを支えたい。それがしたいなら、今のあなたにもできるし、ポイントを押さえたら、もっと上手にそれをできるようになるのです

先生選びが大事です

学びたかったら先生につくのがいいです。独学もいいですが、基本はこの先生の路線でいこう!って決めて「心の師」にするのをお勧めします

なんでかって、先生によって教えてること、全然違うから!!

何人も先生持つと混乱することあるよ。ってこと知ってほしい。

先生選びはずばり「この先生みたいなカウンセリングがしたい!」でいいと思います。ただしそのためには、何人かの先生にあってみたり、実際にカウンセリングを見てみたりする必要がありますね。

僕のように無料ビデオで公開してる人はそんなに多くないと思いますが、セミナーなど参加したらデモンストレーションを見ることができるケースもあると思います。本を書いている先生だったら、誌上でカウンセリングの様子が垣間見える場合もありますね。

何しろ、先生から学べるのは、その先生がしているカウンセリングなので、誰から学ぶかは大切だと思います。

いろんな先生のやり方をミックスしたいという気持ちもわかりますが、その先生の在り方、価値観(思想)、理論、技法が全て一体となって行われるのがカウンセリングですので、理論や技法だけつまみ食いしても、なかなかうまく行かなかったりします。

なので、誰か先生を選んで、まずはその人のやり方をベースに。そしてベースができてから、他のものも取り入れたりして、自分らしいスタイルにしていくのが良いのではと思っています。


モデル選びも大事

先生がやっていることをいきなりやろうとしても、難しいことがあります!

例えば僕がやっていることを同じようにやろうとしたら、どんなにセンスのいい人でも5年でできたら奇跡に近いと思います。僕のところに来ている人たちで言えば10年近くフィードバックをもらいながらトレーニングをして、やっと近いことをできるようになるかな、という感じです。

(もちろんいくつか椅子出して座ってもらって、なんか話してもらうみたいな、レベルの真似であれば、その日からできるようになります!!)

なので、モデルが必要なのです。例えば僕がやっていることを表面上マネするだけでも複雑すぎて大変だと思います。ましてや僕の内側で起こっていることを理解して、現場で同じように自分も判断するとかは、とても大変なことです。

だから、適切なモデルが必要です。実質的には同じ先生のもとで学ぶ、ちょっと先輩のカウンセラーだと思います。

なるべくシンプルで分かりやすいカウンセリングをする先輩カウンセラーを見つけて、その人を最初の目標にすることをお勧めします。

先生が教えてくれたことを、その先輩のような形で実現することを目指すのです。

モデルになるのにふさわしい先輩が見つからなければ、自分でつくることになります。僕が最初の先生(平本あきおさん)に対してしたのがそれでした。

到底平本さんのようにセッションすることは無理でしたから、まずは何をどこまでやれるようになったらいいか「当面めざすカウンセラーの姿」を自分の中で作って行ったのです。

・60分で何ができたらいいか
・どんなふうにセッションをすすめて行けたらいいか
・どんな振る舞い、話の聞き方ができたらいいか

とか自分なりに考えて、目指すカウンセリングのイメージを作って、そこに向けて練習するわけです。

その点、最初の目標(モデル)になる先輩がいると楽にいきますよ。

僕はカウンセリングやコーチングはパフォーマンスアートだと思ってます。全身を使ったアート(表現)なので、質問などのスキルを覚えるだけでは不十分です。ぜひ、丸ごとモデリングしたい先輩を探してください。

カウンセリングを受けよう

いきなりカウンセラーを始めてもいいんですけど、まずはできるだけ受けてみることをお勧めします。

・あなたが先生にしようと思った人に
・その先生の門下生に(モデルになる先輩も見つかる)
・他のスタイルのカウンセラーに

そうやりながら、クライアント側としての体験を蓄積するのです。変なカウンセラーに当たっても、それを肥やしにしてください。何がいやだったか違和感があったか覚えておいて、自分は気をつける。それもカウンセラーになるには大切なことです。

そして、カウンセリングを受けると、内省が進み、生き方が変わり、より自分らしく、周りと協調して(適度な距離で)生きられるようになるのです。

それが、あなたのカウンセラーとしてのあり方のベースにもなりますね。


カウンセリングをしてみよう

どんなカウンセリングをするかは、あなたがどんな先生につくかにうよって決まるのですけど、

あなたの最初のカウンセリングのゴールを決めましょう。
最後にクライアントになんて言ってもらえたら大成功ですか?

・おかげでなんか肩の力ぬけたよ
・私もがんばってるんだ、って思えたよ
・焦らなくて大丈夫だって思った
・聴いてくれてありがとう。すっきりした
・何やりたいかわかった
などなど

まぁ本当は、相手によってゴールは違うのですけど、

こんな感じになったらいいなと思うもので、無理のないものを2、3用意しておいて、一つでも達成できたらOK!

と思って、気張らずにスタートすることです。最初のうちはそんなに色々できません。だからハードルを下げて、自分が余裕でやれるようにしてあげましょう。

そのほうが相手の話も良く聴けるし、そうしたら、なんか自然に学んだ技法を使うチャンスに気づけたりするかもしれません。

いずれにしろ、欲張らないが大切です。


相手にとっても、欲張らないほうがいい


「診察室で一番がんばっているのが医者であってはならない」は20世紀最高の心理療法家ミルトン・エリクソン博士の言葉です。

カウンセラーはリラックス。クライアントもリラックス。その中で、少しずつクライアントが動き始める。

僕たちはそれを支えたらいいのです。無理やりなんかしてあげても、クライアントは自分でできるようになりませんし、自分に自信を持つこともありません。

自立をサポートするためには、こっちが頑張りすぎないことが大切なのです。

だから、結果を欲張らない。変化は加速度的に起こりますから、ゆっくりすすめていくのでいいのです。

ちなみに僕のカウンセリングのベースを作っているのは下の図のような考え方です。

治療の主役は病む個体


図は『精神療法面接のコツ』(神田橋條治)から引用。

神田橋先生は精神科の先生ですが、治療の主体は『病む個体』であると言います。より正確にいうと、個体にそなわっている『自然治癒力』とそれを抱えている『自助の活動』が治療の主役だと。

簡単に言うと、クライアントの中に自分を癒す力回復させる力があります。そして良くなっていくために自分で創意工夫していく力(無意識含む)もあります。クライアントは、それらを使って自分で良くしていけるんだ。というのです。

人間は基本的に、自分で自分のことを良くしていくことができる。カウンセリング(神田橋先生の場合は精神療法ですが)は、クライアントが回復力や創意工夫する力を使える状態になっていくことを助けるものなのです。

クライアント 回復力と創意工夫する力をもっている
カウンセラー クライアントがその力を発揮できるよう支える

では「支える」とは何のことでしょう?

上図では『抱える環境』が対応します。神田橋先生はこれを「治療者と患者との関係が生み出す安住の環境」といいます

心理的安全性(もちろん物理的安全性も重要)ですね。クライアントがホッとする空間を維持すること。

そうすると自然とクライアントは自分で自分を回復させようとします。けれどもそれが行き詰まったときに、ゆさぶりをかけるのが『異物』です。そしてこれは各種精神療法の核となっている技法のことだというのです。

クライアント 治療の主体。回復力と創意工夫する力をもっている
カウンセラー ホッとする環境をつくり維持する人
技法     クライアントが回復力などを発揮するための「刺激」

ということです。

だから大切なのは、

①クライアントが自分の力を使えるようになること
②そのための空間を提供すること
③必要に応じて、①のために刺激を与えること

なのです。こういった意味でもやりすぎ注意です。

相手を信じて、ゆったりとやりましょう!!!

続く

僕がやってるスクールはこれです。コーチングベースのカウンセリングが学べます→


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