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淳/土師守

被害者関係本でも、彩花ちゃんの本から受ける印象とは大きく異なる。

 
彩花ちゃんの本は「それでも前を向き、受け入れて人間らしく生きていこう。」そんな印象だとしたら
淳君の本は静かなる激しい怒りが満ちあふれている。

 
確かに息子をあんな殺され方をされ(ウィキペディアで見ると相当にグロくてひどい)
あんなさらされ方をされ
知人で、顔見知りでもある少年Aが犯人で
交流があった少年A母の言動を考えると
腸が煮えくりかえるとはこのことだろう。

少年Aの母親は無神経な言動を繰り返している(一部、両親手記で経緯に触れられている。)。
この親にして……
そう思うのは分かるし、言いたくなるのは分かる。
ただ、こうして出版する本においてのそれらの描写は土師さんの株を下げかねないとも思う。
陰口のような印象を受けてしまった。

 
だが、突然息子を奪われ、加害者ばかり人権を守られ
こちらが被害者なのにマスコミらから追われ
日常生活に支障をきたしている以上
本に書かずにはいられないだろう。
狂わずにはいられないだろう。
あまりにも非道で残忍なやり方で大切な息子の命を奪われたのだから。

なんでうちの子が。
なんでうちの家族が。
そんな思いは一生消えないだろう。

 
実際、山下さんのように捉えられる人は稀で
理不尽に大切な唯一無二の存在を奪われたら
こちらもモンスターになるのは当たり前でもある。

 
私に子どもはいないけど、もしも甥っ子がこんな目にあったら…
考えるだけで恐ろしい。
私も理性なんてふっ飛ぶかも知れない。

 
こちらの本では少年法について書かれているので、少年法の勉強になる。

 
淳君卒業式の歌のくだりは涙が出る。

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