見出し画像

入院27日目:約束

今朝、父から商品券を追加で8万円分もらう。生活費としてだ。
我が家にはこれほどまでに使っていない商品券があったのか、と驚く。
確かに母はカード派だった。現金や商品券はほとんど使わなかった。商品券はお店が指定されているとなかなかに面倒だ。

最近はほとんど現金を使っていない。

なるべく父からもらった商品券で生活用品や食材を買っている。

 
 
昨夜、母が姉に責められて悲しんでいたことやLINEのやりとり一部始終を
朝、父に話した。

きっとお母さんは辛かっただろう、と朝から父と二人で号泣した。

お母さんを傷つけたくない。
お母さんはもう十分傷ついている。

 
 
今日は久しぶりにライブに行った。
久しぶりに友達とも再会し、色々話せて楽しかった。

父は父で久しぶりに趣味のウォーキングを楽しんだようだ。

父も私も久しぶりに、午前中、休日らしい休日を過ごした。

 
帰り道にスーパーに寄った。
一週間分の食材を買い込む。スーパーに行くとあれもこれも、と色々買ってしまう。

 
帰宅した時、親戚が来ていた。
母へお見舞い金を持ってきたらしい。
親戚はリハビリをすると母が治ると思っているようだった。
その親戚は入院してから母の様子を見ていない。

入院前の元気な母の姿で記憶が止まっているのだろう。

 
親戚が帰った頃、母からLINEが入る。

「昨日は気持ちが不安定になってごめんね。
今日は気持ちを切り替えてリハビリを頑張っているよ。
ともかは今何をしているの?」

そんな内容だった。

 
私は久々にライブに行き、友達と再会したことや
昨日桜を見に行ってきたことをLINEし
桜の写真を添付した。

私が一番気に入っていた写真を母も気に入ったらしい。

 
「来年はお母さんとどこかに花見に行きたいな。」とLINEすると
「キレイだね。来年は一緒に花見に行きたいね。」とLINEが返ってきた。

母と娘のささやかな約束だ。

 
お母さんと花見に行きたい。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?