入院19日目:買い物は難しい
久々の土曜日。
大きな予定のない土曜日。
朝がゆっくりって素晴らしい。
バターと牛乳の賞味期限の関係と母親がホットケーキミックスを大量に買っていたことを理由に、ホットケーキを久々に作る。
お父さんはホットケーキを食べないため、自分用の朝ごはんだ。
今までは冷凍庫がいっぱいでホットケーキを冷凍する余裕はなかったが
今はホットケーキを冷凍できるスペースがあるので素晴らしい。
日中は近場に花見に行こうと思ったが、雨が降ってきた上、お目当ての場所はまだ桜が咲いていないと知り、断念する。
久々にライブ仲間から連絡が入る。
前の職場の主任やら親友やらライブ仲間やら最近会っていない人からの電話が相次ぐとは珍しい。
久々に話すと楽しい。
次はいつ会えるだろう。
電話後、買い物に行った。
一週間分の食材と母からの差し入れリクエスト(私宛。父へは違うリクエストがある)の買い出しだ。
・靴下三足(かわいくて足首がゆるくて長めのもの)
・ぬいぐるみ(母愛用のものに肌触りやサイズが似たもの)
・白あんパン
・紙テープ
靴下三足と紙テープは自宅にあったため容易かったが
ぬいぐるみと白あんパンはなかなかに大変だった。
母愛用のぬいぐるみの手触りのものはなかなかなく、あっても表情がかわいくなかったり、金額が高かったり、サイズが合わなかった。
ぬいぐるみ売り場で手触りを確かめ、抱き心地を確かめ、金額を念入りに確かめた。怪しい大人極まりない。
白あんパンが母は大好きなのだが、白あんパンは滅多に売っていない。
代わりに母の日や誕生日に白あんのお菓子を買ったりしたが
白あんを使ったお菓子さえ、餡子を使ったお菓子と比べるとあまり売っていない。
白あんパンはいくつかお店を回ったが売っていなかったため
白あんのお菓子を購入する。
お母さんは今日赤飯を食べたらしい。
誕生月が四月だからだ。
前の病院はあまり食事がおいしくなかったらしいが
今の病院はおいしいらしい。
お母さんは赤飯が好きだから嬉しかっただろう。
夜、お父さんは緊張した面持ちで兄弟に母の様子を伝えた。
「まだ若いのに。」
「原因は?」
「あんなに元気だったのに。」
タバコもお酒もやらず、不規則な生活をしていなくても
それまで大きな病気かかっていなくても
なるときは、なる。
面会に制限がある病院でよかった。
どうせ親戚は来られない。
明日は転院先で初めての面会だ。
ついたて越しにタイマーでキッチリ計って15分らしい。味気ない面会になりそうだ。
夜、夕飯を作っている時、食器が取り出しにくくて、急遽片付けを始めた。
気になり出すと片付け出すのは性だ。
前々からいつかやろうとは思っていたが、そのいつかが今来たのだ。
いらない食器、コップ、スプーン類をとりあえずまとめた。段ボール2箱分。
分別はお父さんにパス。
まだ捨てたいが、お母さんがまだ生きているし、思い入れのあるものまで捨てたらあれなので、とりあえず食器類が出しやすくなるくらいまで整理した。
使い捨てスプーンやらフォークやら使い捨てパックやら使ってないスプーン類やらも100以上捨てた。
それでもまだまだストックはある。
冷蔵庫、冷凍庫、調味料類、鍋類(これまた大量にあって扉が開けにくいので整理した)、食糧庫一部、箸類を二週間かけて整理し
こうして新たに食器類やスプーン類も片付けた。
キッチンや食料庫がエリア…引き出しごとに少しずつキレイになっていく。
ギチギチに入っていた食器類が取り出しやすくなり、気分は晴れた。
だけどまだ、床下収納、一階空き部屋(母の寝室になる予定。今は物置)、二階空き部屋と屋根裏部屋(今は物置)、下駄箱、母の寝室、食料庫などまだまだ目を覆いたくなる現実が待っている。
私も父もため息が出る。
おそらく母はもう二階には上がれないからおいおい二階は片付けるとして
一階空き部屋をGWあけまでにはある程度形にしたい。
甥の小さい頃の予備着替えやおもちゃ類、本棚あたりがまずは取りかかりやすそうだ。
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