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潜行/姫野たま

地下アイドルの「姫野たま」による自伝だ。
地下アイドルは所謂、インディーズアイドル(アマチュアアイドル、プロではないアイドル)のことを指し
全国にどのくらいいるかは分からないくらい溢れている。

自分でアイドルだと名乗れば地下アイドルにすぐになれるし
特別難しいレッスンやオリジナル曲がなくても
アニソンのカバーをやっても地下アイドルなのだ。
 
 
地下アイドルは自身をそう呼ばれることを嫌う人もいるし
ファンもそう呼ばれることを嫌う人もいるくらいだが
姫野さんはむしろ「地下アイドル」として活動をしている。
地下アイドルだからこそできることがある、と姫野さんは思っているし
性に合っている、と。

アイドルはキラキラ華やかなイメージがあるが
地下は逆に後ろ暗いイメージがある。
それを組み合わせた響きが面白いし
自分に合っていていいそうだ。

本書でも触れているが
アイドルファンを「ヲタク(オタク)」と呼ぶ人がいるが
これを良かれと思う人と思わない人がいて
私はどちらかといえば呼ばれたくない人だ。

地下アイドルというよりは
ローカルアイドルになるが
栃木県でいうと、Lovin&SのファンはLovin&Serと呼ばれ
雷都少女のファンは避雷針と呼ばれ
ガールズq/bのファンはファミリーと呼ばれる。

ちなみにポルノグラフィティのファンはラバッパーと呼ばれ
スピッツのファンはブリーダーと呼ばれる。

 
私はこのようなグループごとのファンの呼び方の方が好きなのだ。

 
  
本書では姫野たまさんがどのような経緯で地下アイドルになったか
地下アイドルから見たファンや裏側
別の地下アイドルとの対談
地上アイドル(メジャーデビューしたアイドル)との対談

がたくさん載っていて興味深い。

 
地下アイドルは「God knows…」や「空色デイズ」をよくカバーするとか(確かに)
部活の延長で地下アイドルをやって学校卒業と共に辞めたり、三年以内で辞めたり(確かに)
ライブは5~20分が当たり前、物販1時間が当たり前、ライブより物販が長い(確かに)等
自分が栃木のローカルアイドルを見て垣間見た世界を復習するような形で
本書を楽しむことが出来た。
 
アイドルや女の子に夢を見ている人は読まない方がいいかもしれない。
女子あるあるなことや辛い面ももちろん赤裸々に書いてある。
 
 
もともと「職業としての地下アイドル」の本がお目当てで
届く前にこちらを読んだが
次はお目当ての方を読んでいきたい。


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