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転職以来初めてのガッツリ残業

いよいよ創立記念日式典が近づき、職場はバタバタしている。

利用者と職員で席札やテーブル等ディスプレイ用の花をこしらえ
会場で流す動画やBGMを編集し、飾る写真の準備もしている。
 
 
当日、利用者は特別な装いになるので、メイクやヘアメイク担当の職員は練習したり
また、利用者も出し物があるので練習している。

 
私は司会担当なので、そういった準備は他の職員より少ないが
その分司会として当日に話す内容をまとめなければいけない。

新施設長がタイテと最低限言うべきことを教えてくれたが
タイテができあがったのは遅く、司会進行表を作る期限は短かった。
職員や利用者が連日体調不良で休んだ影響もあり
スケジュールは押しに押していた。

 
仕事は記念式典だけではない。
日々の業務、他の行事準備をしつつ、そちらもやるしかない。
仕事に優先順位をつけ、こなしていくしかない。

 
日中、司会進行表が完成しなかったため
私は残業することにした。
リハーサルをやる関係で司会進行表は必要不可欠だった。

今まで、行事の司会をしてきた際、必ずしも司会進行表があったわけでもないし
作っても本番時は見ないことが多かった。

 
こんなにスケジュールがおしているなら作ることもない気がしたが
記念式典の日はプロのカメラマンと動画撮影が入るらしいし、事前に新施設長がチェックをするという。

今まで多少なり司会経験があるとはいえ
ここまで本格的な司会は初めてといえる。

 
一人、また一人…と職員が帰り
残っているのは私と新施設長だけになった。

残業がない職場だ。
普段残業しても30分未満が多いし
月一で残業1時間くらいだが
この日はさすがに1時間では終わらなかった。

 
私の職場は私が残業する時に上の立場の人が必ず残る。
前の職場は上司や先輩にあたる方や施設長が定時上がりもしくは先に上がるのはざらだったので
今でもこの風習は慣れない。
 
 
新施設長に、何時まで残業していいか確認したが
自分も忙しいから気にしなくていいと言われ
私はそうすることにした。

まだ全ては終わらなかったが
区切りのよいところで残業を終わりにすることにした。
式典まではまだ日数があるし、あまり飛ばしすぎて体調を崩しても仕方ない。

 
新施設長はまだ仕事が終わらない様子だった。

私は思わず、「いつもこんなに遅くまで仕事しているんですか?」と尋ねた。
すると、毎日このくらいにはなってしまうと答えていた。

 
新施設長は家族との時間を大切にするために大手施設を辞めて転職してきたと人づてに聞いたことがある。
転職して早々に日本でもコロナの方がでて、制限がかかり、コロナが以前より落ち着いてきたタイミングで新施設長となり、多忙を極めていた。

  
果たして、家族との時間はとれているのだろうか。
土日は休みだからそこは大丈夫なのだろうか。

気にはなったが、あえては聞かなかった。

 
私は私で今忙しいとはいっても前の職場に比べたら、残業はえげつなかった。
出勤数も多かった。

この日は転職以来初めての2時間半残業だったが
前の職場ではこのくらいざらだったし
こんな時間帯に帰るのもよくあった。

そうしみじみ思った。

 
私の父親が今の新施設長と同い年の頃
母親の方が帰りは遅かったけど
父親は定時で上がって代わりに夜遅くまで持ち帰り仕事をしていた。

 
前の職場の事務長も、いったん自宅に帰って子どもとご飯を食べたり入浴したらまた職場に戻ってきて仕事をしていた。

 
父親とは、そんなものなのかもしれない。
自営業ではない限り、定時で上がれたり、夜19~20時に家にいられるのは稀なのかもしれない。

 
新施設長は朝も私より早い。

こうして一緒に残業をしなかったら、こんなに遅くまで残業しているなんて知らないままだった。

 
相手の忙しさや大変さを見て
私も頑張らなきゃな、と改めて思った。

 
司会進行表はもうすぐ完成する。
手直しをしてもらい、リハーサルにのぞもう。

まぁどうせ行事は日が迫ると変更点が多いし
司会進行表を作っても手直しばかりだろうし、追記ばかりだろうし、当日さえイレギュラーな動きが入るのだろう。

 






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