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足は大切

その日、私は納品の関係で荷物を運んでいた。

二階の奥部屋から一階の奥の段差ある玄関へと運び、更にそこから車に乗せ込む。

段ボールは重く、大きい。

 
運ぶのは私一人だ。
所要時間は40分。
一人運動会だ。

 
こんなことは初めてではなかった。
私が納品を任された以上、運ぶしかない。

倉庫が二階なのだから運ぶしかない。

 
運びながら思う。

前の職場は納品は全て男性担当で
台車があって
荷物は一階のフラットな所に置いてあって
玄関は段差がなかった。

転職して真逆の現実に打ちひしがれていた。

 
納品を任されてから月日が経ってはいたが
その日は段ボールが大きく重い物が多く
物を持ちながらまともに運ぶと手が壁にすれて血が出た。
前はよく見えない。
そんな段ボールを10箱以上運ばなければいけなかった。

 
階段を降りた時
私は段差を踏み外し、階段を落ちた。

あまりの音に、利用者が慌てて心配して見に来る。
職員が私から離すように利用者を誘導する。
「大丈夫だよ。」以外は言えない。

 
ガラスは割れていた。

多分私の荷物がぶつかったのだろう。

 
足がズキズキする。

だけどまだ荷物を運び終わらないから
私は再び段ボールを取りに急いだ。

 
新施設長が追いかけてきて「なんで転んだんですか?」と聞いてきたので
階段を踏み外したと話した。

「大丈夫ですか?」ではなく「なんで?」かぁ……

内心そう思ったが
思ったからこそ
私は足が痛いとは言えなかった。

 
残りの荷物は新施設長が運んだ。
まぁ荷物はあと小さな段ボールだけだったが。

後でこっそり左足を見ると
痣があり、血が出ていた。

 
あと少しで職場を移転するというのに
私はガラスを壊すという大罪を犯してしまった。

謝罪した際、ガラス代を聞くと「大丈夫。」だという。 
申し訳なかった。

 
 
思えば転職してから毎年何かしら足がやられた。

一年目はポスティング中に外れたマンホールに足をとられて派手に怪我をして

二年目はガラスを割るような形で階段から落ちて

そして三年目は足を骨折した。

 
移転日に
何回も転び、足をぶつけたりもした。
それは予兆だったのだろうか。

 
一刻も早く神社にお祓いに行かなければいけない。
欲を言えば、足の怪我に強い御守りがほしい。

そんな風に思った。

 
余談だが
移転したことにより、重い荷物は1階に置けることになったが
作業場は2階だから作業の都度運ぶ手間と
玄関が段差と敷地の飛び石により
車を遠くにつけるようになった。

納品の手間は上がったといえる。

今後も怪我をしないように気をつけていきたい。

 
 
 
………と書いていたにも関わらず
最近は靴擦れで左足の裏が痛いし、痒い。

くれぐれも、足は大切に。

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