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母が脊髄梗塞になってからの記録

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母が救急搬送された日、右足が動かなくなっていた。
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#退職

数年越しの夢が叶った日

数年越しの夢が叶った日

前の職場を4年前に退職してからずっと私は夢見てた。

いつか利用者のみんなとまた元職場で会える日を夢見てた。

前の職場を忘れたことは一日もない。
新たな場所で働いていても、元担当利用者にずっと会いたいと願っていた。

 
 
だけど、会わせる顔がなかった。 

退職した身分で軽々しく会いにはいけない。
同僚も面白い気分ではないだろうし、利用者も困惑するだろう。

退職とはそういうことだ。

退職

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入院29日目:大部屋に移動のお母さんともう一人のお母さんのような存在

入院29日目:大部屋に移動のお母さんともう一人のお母さんのような存在

家の裏山には竹林があり、毎年祖母や母が筍をとっては料理にしてくれた。

筍は家でとれるもの、そして春にしょっちゅう食べるもの。
私にとってはそうだった。
お店でタケノコの値段を見た時、あんなに高いと知ってビックリしたのは数年前のことだ。

 
祖母は亡くなったし、今年、母は入院してしまった。 

「今年はタケノコ全部つぶすね。」父が言う。
タケノコは放っておくと伸びきってしまう。食べないならつぶす

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入院10日目:正式に診断名がつく

入院10日目:正式に診断名がつく

母から動画がLINEで送られてきた。
リハビリを頑張っていて、体調もいいようだ。

動画は顔のアップから始まり、やたらと鼻や口がアップになり
ファンキーな作りになっていた。
会話や表情は明るい。
ユーモラスな母の一面とカメラ下手な母の一面がよく出ていた。

今日はベッド上でリハビリをしたようだ。
経過はいいらしい。

 
お父さんが車椅子を押そうとしたら、「甘やかさないで。」と自力で頑張っていたら

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転職して4年目を迎えた日、リーダーがいなくなった

転職して4年目を迎えた日、リーダーがいなくなった

大好きで尊敬していたリーダーの退職が発表された頃
私は転職を考え出した。

 
私の職場は新卒をとらない。
職員の平均年齢も高い。
年齢を考えれば
今慕っている人は私より先に辞めるだろう。

そう前々から考え、薄らと不安だったわけだが
リーダーが辞めることや人事異動により
更に基盤が揺らいでしまった。

 
今すぐ辞めたい、まではいかないが
私は求人情報を夜な夜な見ていた。

どこも可もなく不可も

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