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モヤっとする「日本は外圧がないと変われない」という話

よく「日本は外圧がないと変われない」といわれますよね。

これは、
「幕府が西洋の列強に屈して開国した」
「ペリーに屈し開国した」

したといわれている事から

「日本は外圧がないと変われない」

の発言につながるのですが、この
「日本は外圧がないと変われない」
というのを聞くとモヤっとしてしまいます。

なぜなら、当時の日本は
「変われない」ではなく「変わる必要がなかった」
のですから。

よーく考えてみてください。

当時の日本は
食料自給率は100%
海外からの侵略の脅威はない
上から下まで極端な貧富の差はない
支配者階級が一般市民を弾圧、搾取していない

という社会です。

この状況で、何を変えようとするのでしょうか?
という話です。

変化というのは、必要に迫られなければ起きないものです。

西洋における蒸気機関の発達も、産業革命で木がなくなったのも要因の一つといわれています。

それに、幕府は外圧によって開国せざるえなかったのでなく、世界情勢の変化の中で開国を選択したのでした。

その最初の交渉相手に、幕府が自らアメリカを選んだのであってペリーに屈したからではありません。

当時の交渉相手の幕府の選択肢にはアメリカの他、イギリスとロシアがありました。

イギリスは、過去にフェートン号事件があった事やアヘン戦争で心証は最悪。ロシアも北方の領土問題で揉めていたので心証は良くありませんでした。

それゆえ、生まれて間もない若いアメリカを選んだのです。
ですから、幕府は外圧に屈したのではなく自ら開国を選択したのです。

こういう歴史を知っているから
「日本は外圧がないと変われない」
っていうのを聞くとモヤっとするのです。

それに、古今東西の歴史を見ても、大きな変革はだいたいが革命です。そして革命は大きな犠牲と混乱を招きます。
それに比べれば日本の変革は緩やかで平和的に終わったのでした。


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